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◆トヨタ・スプリンタートレノAE86について
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トヨタ・スプリンターは、1968年に登場したカローラの派生モデル「カローラスプリンター」から始まりました。
1972年には2代目カローラと姉妹車として初代スプリンターが登場すると、初代セリカ1600GT用に開発された1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する高性能モデル、TE27型スプリンタートレノが誕生します。
その後、4度のモデルチェンジがあり、1983年にはスタンダードモデルがFF化されるなか、FRのままとされたAE86型トレノが登場します。
AE86型トレノには2ドアクーペ、3ドアハッチバックがありました。
グレードはベーシックな「GT」が2ドアモデル、ハードな足回りを持つ「GTV」が3ドアモデル、パワーステアリングや電動リモコンミラーなどを装備し、外装ではボディ下部を黒としたツートンカラーを採用した「GT-APEX(アペックス)」が、2ドア/3ドアともに設定されていました。
ヘッドライトは当時のスポーツカーによく採用されたリトラクタブルヘッドライトです。
GTアペックスとGTVにはスポーツシートと3スポークのハンドルが奢られ、GTアペックスには当時流行していたデジタルメーターも設定されました。
搭載されたエンジンは、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-GEU型」、可変吸気システム「T-VIS」を採用しています。
出力はクラストップとなる最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpm(グロス)を発揮しました。
組み合わされたトランスミッションは当初5速MTのみでしたが後に4速ATが設定されています。
サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リヤがラテラルロッド付4リンクのリジットアクスルを採用しています。
リジットアクスルは構造が単純なため、サスペンションのチューニングがしやすく、リヤタイヤがスライドしてもコントロールしやすい特性があり、FR車の醍醐味である「アクセルで曲がる」を存分に楽しめる挙動を実現しています。
ブレーキはGTアペックスとGTVがフロントをベンチレーテッドタイプとした4輪ディスクを採用し、GTのみリヤブレーキがドラムです。
今でもマニアの方には人気の車です。人気の要因の中にはコミック「頭文字(イニシャル)D」に登場する白黒ツートンカラーのAE86型 トレノが作中で活躍したことが挙げられます。
また、有名ドライバーの愛車にもなっています。
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◆ご紹介する車両について
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今回ご紹介する車両は、トヨタ・スプリンタートレノAE86型、後期のGTモデルです。
ワンオーナーカーの名古屋78ナンバー、長年かけてオーナーさんが仕上げた車、大事にしてきた車です。
購入当時から足車ではなく、趣味の車から維持してきたそうです。
グレードはGTですが、購入当時にスポーツパッケージ(本来は設定がないそうです)仕様にしてもらいます。スポーツパッケージは、ツートンカラーの塗装、リヤスポイラー装着です。
最近は息子さんが受け継がれて親子で楽しんでいらっしゃるそうです。
現在の車の仕様を以下に記します。
・エンジンヘッドチューニング(ポート研磨、面研、圧縮比アップ、調整式カムプーリー)
・フジツボ製スーパーEXエキゾーストマニホールド
・サード製スポーツキャタライザー(車検対応)
・フジツボ製エキゾーストマフラー(レガリスR)
・前期型エンジンECU交換
・ビルシュタイン製車高調フロントサスペンション(ネジ式)
・フロントスプリング交換(レート8kg)
・TRD製ショートショックアブソーバー交換(AE831)
・リヤスプリング交換(BESTEX、レート6kg)
・ブレーキローター、パッド交換(プロジェクト・ミュー)
・エンジンオイルクーラー装着
・TRD製LSD交換
・ステリングギヤボックス交換(GTV用)
・サスペンションブッシュ交換(TRD製強化ブッシュ)
・ブレーキストッパー装着
・ラジエター交換(3層)
・ヘッドライト交換(レイブリック製マルチリフレクター)
・社外アルミホイール(メーカー不明)
以上ですが、取り外したパーツなどもストックしているため、それもお付けするとお話がありました。
以下はそのパーツ類です。
・エンジンヘッド
これはターボを装着しようと思い、走行距離1万キロ代の中古のパーツです。結局ターボ装着をしなかったそうなので、そのままストックしています。ノーマル仕様です。
・ステアリングギヤボックス(装着していたパーツ)
・純正キャタライザー
・純正シフトノブ(革が破れています)
・純正ヘッドライト
・エアコン用のエバポレーター(修理用に購入したもの、パーツのみ使用)
・純正ディストリビューター
・純正ホイールナット
・スタッドレスタイヤ+ホイール(ホイールはセリカ用)
一度、左フロントホイールを当てています。外装パネルには損傷がなかったのですが、足回りを修理したそうです。修理後、知り合いのボディショップでフレーム修正機をかけています。きちっとボディ寸法は出ていますとお話がありました。
現オーナーさんは35年間維持してきましたが、そろそろ手放される年代になりましたと、この車に情熱を注いで頂ける方にお渡しすることを希望しますとエンスーの杜への掲載依頼となりました。
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◆外観
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ブラックとシルバーのツートンカラー、再塗装していますので、クリアもあり、きれいなコンディションです。
飛び石によるキズは多少ありますが、気になるようなキズはありませんでした。
リトラクタブルヘッドライトはきちっと可動していました。
フォグライトは社外品です。
アルミホイールはワタナベやブラックレーシングに似ていますがメーカーは不明です。
タイヤはポテンザRE71R、サイズは185/60R14です。(製造年:2019年8週)
トランクルームに錆が見られます。これはトランクのコーナー部分のパネルからの雨漏りが原因だそうです。 現在はコーキングを施していますので雨漏りはありません。
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◆内装
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オリジナル度が高い室内です。
コンビネーションメーター前にあるのは後付けの空燃比メーターです。
シフトコントロールノブはTRD製のものに交換しています。
全席のフロアマットは当時物、「TRUENO」は文字が入っています。
運転席シートは、レカロシートを付けていましたが最近オリジナルシートに交換しました。そのためだと思いますが、運転席シートの擦れや破れはありませんでした。
インパネパッドに割れがあります。ご自身で補修するつもりでしたが下手にやると取りかえしがきかなくなると思い、そのままの状態にしています。
全体的には遣れ感は少なく、いいコンディションだと思いました。
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◆機関
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1.6リッター「4A-GEU型」DOHCエンジンを搭載、トランスミッションは5速MTです。
エンジンヘッドはチューニングを施しています。
基本スペックは、最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpm(グロス)。
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◆足回り
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車高調式フロントサスペンション、コイルスプリング交換、リヤショックアブソーバー交換など、オーナーさんが煮詰めて、現在の仕様となっています。
GTはリヤブレーキがドラムブレーキなのでコントロールしやすいそうです。
ステアリングギヤボックスはGTVのものに交換しています。GTVのものはロックtoロックが3回転のクイックステアリングギヤボックスとお聞きしました。
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◆メンテナンス
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オーナーさんは車の整備の仕事をしているため、ほとんどの整備はご自身を行なうそうです。そのため、整備に関する書面はありませんとお話がありました。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。