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トミーカイラ M19 5MT 1989年式
車検 28年4月 走行 不明(エンジン換装のため)メーター数値134000km 備考 左ハンドル 5MT 複数オーナー ETC
長さ 4420mm 1680mm 高さ 1360mm 重量 1210kg 排気量 1990cc
取材日2015年10月9日

日本初のチューニングメーカーとして名高いトミーカイラ、その第一弾として世に送り出したコンプリートモデルのM19をご紹介致します。
そのベースとなったのはメルセデスのW201、いわゆる190シリーズです。190に関しては今更説明は不要でしょう。5ナンバーに収まるコンパクトサイズながらコストがたっぷりとつぎ込まれた上級モデルと同等な設計により、質実剛健が信条のモデルです。そこにはホモロゲーションモデルも存在し、スポーティーなイメージを持つ事も周知でありましょう。

その190をベースとしたM19は、最初のコンプリートモデルゆえかなり謎多き事も、トミーカイラファンの間では常に話題にのぼるようです。それは生産台数やチューニングメニューなど、カタログデータこそあるようですが、全てが証されているわけではない、言わば1台1台それぞれが個性を持つと言い換える事ができると言えます。ただチューニングカーである以上、ノーマルからスポーティさを前面に押し出した事では間違いのないところで、メーカーの作るチューニングカーとはいかなるものかを知るに、190をチョイスした辺りは興味深いところでしょう。

では、M19の特徴を交えながら、コンディションとこのクルマの経歴を見てみる事にしましょう。
最大の特徴はシングルカムモデルでは日本へ正規輸入された車には存在しない左ハンドルの5速マニュアルミッションが積まれている事です。そのほとんどがATであるとの事、ただでさえ少ないM19の中で、MTは相当にレアと思われます。それは平成24年1月にショップより購入致しました。その際距離は不明とありました。その理由は以前にエンジンブローをし、エンジンを載せ換えているからと言うのが理由だったそうです。ただそこで問題とも言えるのは、当時データ不足のためかノーマルの2リッターを載せてしまったようで、実際に購入後に走らせてみても、それはチューニングを受けていないのが明らかなフィーリングだったそうです。それではM19を指名買いした意味がないとの事から、オーナーさんはさらにエンジン換装の手段を取りました。そこでチョイスしたエンジンは、とあるチューナーが個人的に乗っていた190を自らがチューニングしたエンジンで、内容は分かる範囲で圧縮比アップ、ポート研磨、カムプロフィール変更、軽量フライホイール等がなされているそうで、そこにM19でも備わっていたタコ足に、マフラーはオリジナルから変更されています。それによりほぼM19と同等か、もしくはそれ以上のスペックを持つと思われる仕様です。さらに4気筒モデルで悩みの種でもある熱対策を施しました。まずは電動ファンの取り付け、ラジエターも交換しています。これによりオーバーヒートの兆候は全くなくなりました。また、クラッチは新品交換済み、デスビ、サーモ交換、オルタネーターも大容量のもの(メルセデスベンツ純正流用)に交換しています。エンジンは好調を維持しており、不具合は感じておりません。

足回りは購入時に純正のスポーツライン仕様のコイルとショックを直接輸入して変更しています。ヨーロッパ仕様では同じ190でも車重によりバネレートが違うそうで、このクルマに関しては一番軽いものが、それに見合ったものとして選択しました。その際アッパーマウント等のフロント周りのブッシュ類も交換しています。

次に外観です。こちらは専用エアロとストライプが特徴です。全体にサビやヘコミなど傷みの類は見られません。目立つキズも確認できませんでした。塗装は良好、ツヤも保たれています。今年4月にはルーフ、トランクフード、リアバンパーはヤレが出始めたため塗装をしています。以外はオリジナルのようで、小キズや部分的にヘアラインが出ている箇所が見られました。またリアバンパーには自転車が倒れてきたためにキズがあります。

オリジナルの内装はステアリングを除いてはほぼノーマルとの事ですが、こちらは手を加えました。フロントシートはレカロに変わっていてドライバーズシートはローポジションになっています。リアシートはその生地に近いものでカバーを作製し、それを被せています。内張は2.3-16のものを移植し、全体の雰囲気を合わせました。ステアリングはスカイライン用のトミーカイラモデルに変更、オリジナルはありますが擦れ等がありますので、補修が必要です。シフト周辺のウッドパネルとシフトブーツは新品交換していますので、状態は良好です。その他ダッシュ、天井も問題ありません。メーターナセルは交換しており、そこには外気温度計が付いていましたが、元来それはない仕様のため表示されません。

ホイールはこちらもM19のものですが、当時2.3リッターの試作モデルに装備されていたとされるガンメタを備えています。オリジナルのシルバーもありますので、お付け致します。

エアコンは電動ファンに変更した事で、非常によく効くそうです。

サンルーフは開閉動作に問題ありません。

オーナーさんによると事故・修復歴はありません。ショップより購入時には「修復歴無し」と言う事で購入しており、以降事故は有りませんが、詳細は不明です。

距離はエンジン換装のため不明としています。ただこのクルマ自体はメーター数値のもので合っている可能性が高く、車検証上も整合性がとれています。

ETCはこのままお付け致します。

自動車税の未経過分とリサイクル券(13200円)は清算をお願いいたします。

メルセデスを数台乗り継いできたオーナーさん、その良さは十分に認識しており、そこに日本のチューニングメーカーの草分け的存在のトミーカイラが手がけたとなれば、そこは大変に興味深いものであったそうです。そこで詳細を調べる事となりましたが、情報の少なさにあらためて驚いた様子、それでもその謎だらけの部分を個性ととらえるに、オーナーさんとしてはかなり高いポイントであったようです。そこでこのM19に出会うわけですが、ここでさらにレア度を高めていたのが、5速マニュアル仕様であった事でした。以前2.6スポーツラインをマニュアル化して乗っていた経験からその楽しさは実感済み、チューニングカーを味わう上ではこの上ない仕様だった事から、購入を決めた経緯があります。ATは時たま見かけるものの、マニュアルはまず見かけないそう、実際にトミーカイラの全国ミーティングに参加した際、富田氏、解良氏に会ったそうですが、当の本人も作ったどうか記憶にないと言わせる程の希少車のようです。ショップ購入時にはノーマルエンジンが載っていたと言う、ちょっとしたハプニングもありましたが、運良くメカチューンがなされたほぼヨーロッパ仕様のスペックに近いエンジンも手に入り、仕上げていったと言うのが現在のコンディションです。そのコンプリートカーの乗り味を体感すべく、助手席にて試乗致しました。乗り込んだ印象は当時あったアンファングに通じたところがありますが、シートや内張、ステアリングやマニュアルシフトと言う190に見慣れない光景は新鮮です。ベースはかの国ではタクシーに使われていたのではないかと思われる仕様の、ABSや外気温度計がない等簡素なもので、その恩恵は軽い車重にあり、鼻先の軽い4気筒と相まってかなり軽快な乗り味、そこにチューニングされたエンジンはメルセデスらしからぬ、高回転でもうひと伸びするような感覚は、吹け上がり、回転の落ちとも素早い印象で、相当にスポーティな印象です。足回りも決してガチガチではなく、当時の開発コンセプトでもあったバランスの良さを感じるに十分な乗り心地でした。コンプリートカーでありながら、実はさほど特殊なものを持たないところは、維持のしやすさにつながっているそうで、実際にW201の維持するのと大差ないと言うのがオーナーさんの見解です。大変気に入っているものの、車庫事情で減車せざるを得なくなり、売却の運びとなりました。W201の素性の良さは誰もが知るところ、そこに日本のチューニングメーカーが味付けをしたスポーツセダンとしての仕上がりを見るにつけ、その希少性の高さは相当なものに映りました。

実車は東京都調布市にあります。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
SOLD OUT
画像クリックで拡大出来ます
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
灰皿を開けるとETCと水温系。電動ファンの温度セッティングはこちらで可能。
リバースが左下のシフトパターン
 
 
 
 
 
後席右ドアの内張は浮きがあります。
レカロの生地に合わせたのはカバー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タイヤサイズは前後とも185/60-15
自転車が倒れて付いてしまったキズ
 
 
 
 
 
両氏の直筆のサインです。
 
 
 
コーションプレートこそありますが、データ的なものは記されていません。
緑のヘッドカバーとタコ足がM19の特徴のひとつ。
オリジナルのシルバーのホイールとステアリング。
富田・解良両名の直筆入り当時広告入楯、トミーカイラ関連ステッカー、パンフレットコピーは次のオーナーに引き継ぎます。
 


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