3代目コロナのRT40です。
代々ライバル関係にあったブルーバードを販売台数で打ち勝ち、当時最高傑作のコロナと評されました。 国内初のハードトップの設定やコラム・フロア・またATの前進トヨグライドなどミッションも選べ、バリエーションが豊かなのも特徴。 また、後にレースで活躍するトヨタ1600GTのベースとなったように走りの面において進化が見られ、高速性能も重視、長時間耐久テストを施すなど高い信頼を獲得するに至ります。
このRT40は、88年6月に購入されていますので、所有期間は約22年間に渡ります。 距離が約68000kmの時に知人より譲り受けました。 前オーナーが新車で購入していますので、現オーナーさんでツーオーナー目、ほぼオリジナルコンディションであるのとともに、シングルナンバーで保たれているのも目を引きます。
外観は当時の呼称でギャラクシーホワイト、部分的に板金があるものの塗装はオリジナルのままです。 特筆すべきはサビや腐りなど傷みがほとんど見られないこと、またヘコミもありません。 ツヤはオリジナルゆえにピカピカの輝きと言うわけにはいきませんが、それでも退色箇所は見受けられませんでした。 キズはほとんどありませんが、その分タッチの跡がそこかしこに存在します。 また左ミラー本体に押されてしまったヘコミ、ボンネットに微細ですがくぼみがあり、唯一のサビ浮きが左フェンダー下部に1箇所確認できました。
板金は左リアフェンダーをぶつけられてしまったために修理、フロントグリル周りにサビが出ていたため補修をしています。
下回りも気になるところですが、こちらはかなり良好な状態です。 これまで6ヶ月に一度はリフトアップしてグリスアップを施すなど、シャーシには気を配ってきています。
内装のスタイルはベンチシートとコラムシフトの組み合せ。 フロントシートは傷みが出たため約10年前に張替えています。 多少汚れがありますが、いまだ破れはありません。 リアシートはオリジナルのままで、上部に破れがあります。 カーペットは湿気を嫌い潔く外しており、フロアはサビなどないキレイな状態です。 その他天井、ダッシュなどオリジナルが保たれています。 リアのドア内張りはフロントシートと同時期に張替えていますが、一部浮きが出ている箇所があります。 フロント内張りはオリジナルのままです。
機関は何ら不具合なく現在も良好です。
始動性も問題ありません。 一度ヒューズが全てとんでしまった事、またヒーターバルブの不具合により冷却水漏れが見られた他はこれと言ったトラブルの経験はありません。 大きな修理の履歴はありませんが、メンテは欠かさず行ってきています。 定期的にいわゆる6ヶ月点検を実施、油脂類の交換や各部のチェックなど基本的なものです。 2000年にはキャブのオーバーホールをしています。 整備に出しているショップは前オーナーから同じところですので、新車の時からそのショップがこのクルマを見ていることになります。 記録簿は前オーナーのものから保管されています。 かなりの枚数に及びますので、内容については見学時にご確認下さい。 また取説もあります。
東京多摩地区の方は現在のシングルナンバーが引き継げます。
気になる点としては下記のようなものがあります。
各メーター正常ですが、時計のみ動くものの正確ではありません。
前のドアと比べ後ドアの閉まりが若干よくありません。
寒い時期には運転席側のドアロックが開けにくくなるため、無理をせず助手席から乗っているそうです。
アンテナは本来ラジオと連動していますが、現在はスイッチを入れても動作しません。 ただ、オーナーさんはラジオを聞かないので、さほど問題にしていません。
クーラーは装備されていません。 またオリジナルのラジオ以外のオーディオはありません。
タイヤの山は十分にありますので、交換は不要です。
お付けできる部品がありますので、挙げておきます。
エアクリーナー(中古) 右テールランプ(中古) クラッチマスター(中古) ブレーキライニング(新品) フロアマット(純正) ナンバー灯(中古) などなど
リサイクル券(5510円)と自動車税の月割りはご負担をお願いしたします。
このRT40はオーナーさんの普段の足としてこれまで20年以上も元気に活躍してきています。 購入した当時はオーナーさんが免許を取りたての頃です。 ちょうどクルマを探していたところ前オーナーが手放すと聞き、練習用にと譲り受けたのがきっかけで、このクルマとの長い付き合いが始まりました。 これまでこれ1台で遠乗りから通勤まで、実用車として存分な活躍をしてくれたそうです。 長く乗れる要因のひとつとして、故障がほとんどなく維持にコストがかからなかった点があります。 とは言え記録簿を見れば分かる通りキチンとメンテはされてきていますし、職場にリフトがある環境でもあったため下回りも常にチェックをするなど、オーナーさん自身もしっかりコンディション維持に努めてきているのが見て取れました。 また燃費も良いそうで、それも実用を考えればポイントが高いです。 取材当日は近くを乗せて頂きました。 ベンチシートの深いクッションの座り心地、コラムシフトやウィンカーの操作を見ていると、そこに旧車を感じます。 普段はクルマへのいたわりもあり、あまり踏み込まないそうですが、エンジンはスムースな吹け上がりを見せていました。 そこには扱いにくさはなく、旧車にして実用に十分に耐えうる、長きに渡りオーナーさんが乗り続けてきた理由がそこにあるように感じました。 レストアをしているわけではないので、内外装はヤレがありますし、決して飾っておくようなコンディションではないのは見ての通り。 ですが旧車であれども神経質にならず、しかし雑に扱わないがオーナーさんのスタンスであり、このクルマとの付き合い方が理解できるところです。 今回事情により乗用車が不要となったため売却の運びとなりましたが、オーナーさんの長年のパートナーとしてのRT40をその価値観と共に引き継いで頂ける方を求めています。
実車は東京都狛江市にあります。