時はマイカーブームに沸き、各メーカーが大衆車生産にしのぎを削る時代、1100ccであったff1も排気量アップや豪華の装備へとモデルチェンジを果たし、結果1300ccへと拡大した1300Gへと進化していきます。
そのff1は独特なメカニズムを持ち、その起源は前進であるスバル1000から踏襲したものです。
エンジンは水平対抗、駆動方式はFFを採用するなどの独創的なもので、先進性の高い優れた設計であったと言われています。 その例としてアルミ合金エンジン・インボードブレーキ・センターピボット式ステアリングなどなど、先進技術が幾多にも採用されます。
ほぼオリジナルのコンディションが保たれたこちらの1300G、現オーナーさんで3代目だそうです。前オーナーが納屋で寝かしていたものをショップで動くようなコンディションに戻し、平成16年3月に購入されます。 内外装ともオリジナル度が高く、欠品パーツもほとんど見られないコンディションです。
外装のカラーはサファリブラウン、塗装も当時のものオリジナル塗装との事です。
それぞれ経年によるヤレは否めませんが、全体的にも傷んだ印象は受けません。 水の溜まりやすいとされるドア下部などもしっかりしており、サビや腐りのないコンディションが保たれています。 キズは小キズ程度のもの、バンパーなどのメッキパーツほとんどサビは見られませんでした。
内装もほぼオリジナルが保たれているとの事です。
シートは運転席座面のみ傷みがあったので張替えを行いました。 その他天井、ダッシュ、ステアリング、内張りなどオリジナルのままだそうです。 但しセンターコンソールが欠品しています。
フロアも腐りはありません。 リアシートの角に破れがありましたが、目立つようなものではなく、他も傷みは感じられずキレイな内装です。
エンジンは好調で、これまでトラブルの経験はありません。
よって大きな修理履歴はなく、キャブ調整のほか基本的なメンテにとどまっています。 現在も不具合を感じないそうで、オイル漏れも見受けられません。
現オーナーさんの整備明細は保管していますが、過去の記録簿はありません。 よって距離の根拠はありませんが、状態からすればおそらく実走行であろうとの事です。
エンジン自体もオリジナルスペックで、見た目からも変更点はプラグコード程度です。 細かなところではヒューズボックスの端子が1本破損したため、オリジナルではないケーブルで対処しています。 部品の調達もさほど困らないそうで、オーナーさんはオーナーズクラブやネットオークションなどから、またメーカーから部品によっては入手可能との事でした。
不具合まではいかないと思いますが、走行中にサイレンサーのビビリ音がします。
タイヤも山は十分にありますので、交換の必要はありません。
ホイールもオリジナルですが、当初キャップが付いておらず、そのため現在は1000用のキャップを付けています。
ラジオは可動しますが、時計が動きません。
予備として揃えたパーツがいくつかありますので、こちらもお付けします。
コイル・ディスクローター・ラジエターホース・ミラー・Fグリルなどの外装部品他。
またマニュアルもありますので、こちらもお付け致します。
その他走行会やメンテ中の写真がCDにて残されていますので、よろしければお付け致します。
リサイクル預託金と自動車税の月割りはご負担をお願い致します。
以前よりff1を探していたオーナーさんの目に留まったのが、オリジナル度の高いこのクルマでした。 かねてから評判の高かった走りを体験してみたいと購入されますが、その期待に十分に応えてくれる楽しさだそうです。 エンジンは回転の上がり下がりの早いレスポンスの非常によいのが特徴で、サーキットでも走らせてみたそうですが、またハンドリングもよく、バランスのよさを感じる走りが体験できたとの事でした。 実際に走らせて頂きましたが、エンジンは小気味よく回りスムーズに吹け上がり、加速感などは旧車であることを感じさせません。 見た目からはそれほどスポーティな雰囲気はありませんが、走りは打って変わって楽しいものです。 当時数々の先進技術が詰め込まれたクルマだけに、走りにおいてそれが反映された現代でも十分に楽しめるクルマと言った印象でした。 走りの楽しさを与えてくれたff1も今回家庭の事情には勝てず、今回売却の意向を固めました。 スバリストと呼ばれる熱狂的な愛好家を生むきっかけともなった1100を発展系の1300G、その独創性に浸ってみるのはいかがでしょうか。
実車は東京都日野市にあります。