★ルノー5 ターボ2に関して
1978年、国際ラリーで勝利を獲得することを目的としてパリサロンで発表された5(サンク)ターボは、ルノースポールが開発、アルピーヌが生産を受け持つ体制で80年から市販が開始された。
大衆車5のボディを用いながら、パワートレーンを180度転回させてリアシートの位置に押し込んだMR方式とした点が最大の特徴である。
5アルピーヌのエンジンをベースとした水冷式直列4気筒 1397cc OHVユニットは、ギャレット製インタークーラー付ターボチャージャーを搭載、最高出力:160ps/6,000rpm、最大トルク:22.5kgm/3,250rpmを発揮し、最高速度は210km/hに達した。
サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン、タイヤサイズはF:190/55VR340、R:220/55VR365、ブレーキは前後ともサーボ付きのディスクであった。
太いタイヤを収めるためにFRP製のフェンダーが張り出したデザインが特徴的で、デビュー当初は前衛的なデザインのダッシュボードであったが、83年から86年まではサンクアルピーヌターボと同様の簡素なインテリアを持つ後期型のターボ2が3167台生産された。
■当車について
1984年にフランスで新車で購入後、パリのセンターアルピーヌで大型インタークーラー装着、ブーストアップ、各ターボ関係配管強化型に交換、専用スパークプラグ交換などを行ない、出力はノーマルの160馬力から210馬力に大幅アップされたもので、その後日本国内へ個人輸入したものである。
ワンオーナー、取説・マニュアル関連あり、禁煙車、整備記録あり、屋内ガレージにてボディカバー保管、事故歴・修復歴なし、外装はフルオリジナルで塗装も当時のまま、内装はほぼオリジナル、5速MT、FM・AMラジオ付きカセット
注)アルピーヌでのチューニングした際の明細や保証書等はありません。
■エクステリア
塗装はオリジナルのダークブルーメタリックで28年間、車庫保管の上、ゴアテックスカバー(お付けします)をかけていたお陰か、洗車傷のような細かい傷はありますが磨けば十分光るレベルです。
ただ残念ながら石はねにより、フロント周辺には細かい傷が見られます。
特にヘッドライトとウインカーにはヒビが入ってしまっています。
またFRP製のブリスターフェンダーの継ぎ目には5ターボ2特有の現象である塗装の浮きがあります。
■インテリア
車内は基本ほぼオリジナルですが、レカロA8(ドライバー側のみ、オリジナルシートあり)と油温計のみが変更点です。
室内は年式相応で、ステアリングの擦れやカーペット類の汚れがあります。
インテリアカラーがアイボリーのため、余計汚れが目立ってしまいますがクリーニングすればかなり改善されると思います。
天井は一度張り替えられており、垂れはありません。
オーディオはカセット付きのFM AMラジオが装着してあります。
サンクターボは薄いドアパネルを採用しているため、スピーカーの共振が出てしまうのですが、ソニー本社の芝浦開発センターで入念に鉛シートを貼り付けたため共振はありませんが、そのせいでドア開閉はノーマルより多少重くなっています。
リアのエンジンフードカバーには1981年のラリー・モンテカルロを5ターボで制したJean Ragnotti(ジャン・ラニョッティ)の本人直筆のサインが描かれていますが、このクルマを実際にドライブしてもらい、サインを頂いたそうです。
■機関・足回り関連
【エンジン、マフラー】
エンジンは210馬力キット装着と、常に回していたため、新車当時と変わらぬターボならではの加速を味わえるそうです。
タペット調整、Vベルト交換などは行なっていますが、ヘッドから下のオーバーホールは行なっていません。(現状は多少、オイル漏れはあります)
クラッチはミートにコツが必要ですが、5万km以上持たせているそうでこれまでに2回交換しています。
マフラーはノーマルのステンレス製で、錆、腐りはありません。
【足回り】
タイヤはミシュランのTRXという専用ホイールを採用している関係で、TRXしか装着ができません。現状はトレッドの残り溝はありますが、ゴムが硬化し、ヒビ割れもあるので交換が必要です。
(TRXはミシュランで現在も製造しています)
ダンパーのみがコニ製に交換してあります。これまでもビルシュタインなども試したそうですが、コニの油圧ダンパーがもっともこのクルマにあったしっとりしたハンドリンクを提供してくれるそうです。
【現状の不具合点】
・タイヤ、バッテリー交換が必要。
・ヒーターバルブが完全に締まらないので、修理必要。
・フロントワイパーのウォッシャーが時々出ない。
・リヤゲートのストラットが抜けているので、つっかえ棒などが必要。
・フロントフードを閉めるときにキャッチの金具が自然には戻らないので、手で戻す必要がある。
走行距離は15万キロと走っていますが、サンクターボを日本一メンテしてるメカに、28年間メンテナンスしてもらっているお陰か、今でもホイールスピンするほどだそうです。
引継ぎは可能ですので今後ともメンテ、車検ともにそのメカが面倒をみてくれるそうで、フランスからもパーツの輸入も可能との事です。
整備記録に関しては取材時には確認出来ませんでしたが、メンテナンスヒストリーはワークショップマニュアルとともに、90年まではあるとの事で、それ以降はPCにデータとして残っている模様です。
■オーナーさんより一言
5ターボ2は私の車人生で初めての車で、他にも色々と所有しましたが、一番のお気に入りで28年間ずっと一緒に過ごして来ました。
仕事の関係上、20台近くのサンクターボに乗った経験がありますが、その中ではコンディションが良く、速い個体だと思いますし、ラリー風に改造しているサンクが多い中、ノーマル状態の個体も珍しいと思います。
エアコンはないので車内は暑いですが、猛暑でもオーバーヒートの心配はなく、毎日の足としても乗ることが出来たため、購入してから10年程はこれ1台で過ごす事が出来ました。
ずっと乗り続けようと思っていましたが、最近は乗る機会が減ってしまい、この車がお好きな方にお譲りする事にしました。
■エンスーの杜取材担当者の私情インプレ
オーナーさんにこの車のアピールポイントをお聞きすると
「エクステリア、インテリアともに、必要最低限の改造にとどめ、ノーマルの雰囲気を維持しているところ。それでいて、ノーマルサンクターボにはない高い動力性能を誇るところかな」
とさらりと言っていました。
さすが車関連のお仕事をされてきただけの事はあります。
聞くところによるとこの個体はかなり有名のようで、過去には様々な雑誌に掲載されたとの事でした。
経年のヤレ感はありますが、新車からのワンオーナーのオリジナルならではの味がありますので、お探しの方にはご検討頂きたい逸車です。
なお現在車検切れですが、仮ナンバーを用意しての試乗も可能だそうです。
また車検取得渡しはオーナーさんのご好意で、悪いところを完璧に直すものではありませんので、引き渡し後に故障した場合の責任は負いかねますので予めご了承下さい。
■お問い合わせに際して
・車両は神奈川県横浜市にあります。
・記事内容はオーナーさんのコメントをもとに作成したものですので、整備記録の有無、修復歴、関連書類などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
・記述している状態等のコメントもあくまで取材時の状況及び取材担当者の主観によるものですので、月日が経過して写真や記事との相違があったり、ご自身の主観との差異が生ずる場合があります。
・掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお現車確認はあくまで購入を前提とした上でお願い致します。
■購入される場合
・車両代金
・リサイクル料(11,990円)の全額負担をお願いします。
※個人売買のため、支払いは現金一括で現状渡しのノークレームとなります。