インターメカニカが手掛ける３５６は、１９５９年型ポルシェ３５６、Ａタイプ、コンバーチブルＤのレプリカモデルです。

ちなみに、コンバーチブルＤは、スピードスターと基本的に同じボディですが、フロントガラスの形状やサイドガラスの形状を変更し、より実用的な巻き上げ式のサイドウインドーが装備され、日常での耐候性が大幅に向上されているモデルでもありました。

そのコンバーチブルＤを忠実に再現、若しくは、オリジナルの再現以上に動力性や快適性等々を吹き込んだメーカーがインターメカニカであり、数多くレプリカが存在する中、他に類を見ないほどの完成度の高さから非常に人気の高いレプリカメーカーであります。

究極のレプリカたる所以として、従来のレプリカで採用されていたＶＷ社製の中古シャーシを使用せず、オリジナル・角型断面チューブラフレームをベースとしたオリジナルシャーシにより高い剛性と安定性のあるハンドリングを実現、この段階でもよりオリジナルに近い完成度を追求しながら、さらに、ボディの剛性や質感を追求する為、FRP製ではあるものの、11回工程というで丹念に仕上げてあります。そのため、オリジナルと同様にドアとボディのチリが一定になるなど、極めて精巧な造りが特徴です。

高年式のインターメカニカのボディ表面の平滑度はもはやスチールと同等のレベルです。
ボディ各寸法もオリジナルと全く同一です。

現車はレプリカとしては非常に高年式(２００６年)の３５６となります。

現オーナーさんは約２年前にツーオーナー４１，０００�qの現車を正規ディーラーであるインターメカニカ東京で購入されました。購入後より理想に近づけるべく手間を惜しまず改良しています。

前のオーナーさんの拘りが詰まった現車は、貴重なオプションを多数装備してある状態でそのオプション総額だけでも国産車の新車が十分に買えるほどの金額になります。
ちなみに現在新車本体価格（標準価格）は輸送費、登録費用、オプション別で７３０００ドル（８６７万２４００円：税込）となります。

オプション等、装備品一覧　(現オーナーさんが追加されたものも含む)


・４輪ディスクブレーキ
・５ボルトオリジナルタイプアルミハブ
・ポルシェオリジナルタイプ５穴ホイール
・ステッキ式サイドブレーキ
・本革内装(イタリア製)
・スペシャル幌(ドイツ製)
・スペシャルカーペット
・エアコン
・パワーウィンドゥ
・カレラタイプエンジンフード
・シートヒーター(両席)
・ポルシェオリジナルタイプエンジンレイアウト
・ポルシェオリジナルタイプエキゾーストマフラー
・間欠ワイパー
・フット式Ｈｉ⇔Ｌｏｗライトスイッチ
・３５６オリジナルステアリングポスト
・３５６オリジナルダブルリング付きステアリング
・ＥＴＣ
・ガラスコーティング
・その他多数

ボディカラーはポルシェ純正のルビーレッドで、光線の加減により微妙な変化を楽しめるカラーです。

新車時のオリジナル塗装で、多少の部分的な小さな傷はありますが、事故、加修等は一切無く、ボディ表面は鉄板のボディと何ら変わることの無い平滑度です。小キズについては神経質なオーナーさんが加修の必要性が無いと判断しているレベルのものです。

幌についても、通常のレプリカはボディ表面側からホックでボディーに固定するのが一般的ですが(コスト面から)、現車はオリジナル３５６と同様にボディー裏面側より固定の為、ボディ表面に無粋なホックは出ません。(現車の幌についているピンは３５６オリジナル純正ピンで、幌をオープンにした際、オリジナル通りに幌ブーツを装着するときに使用するものです。)

ホイール固定ボルトについて、通常のレプリカはハブにボルト固定ですが、現車は上記オプションにもありましたように、オリジナルと同様、ハブにスタッドボルトを埋め込み、ナットで固定するタイプとなっております。

オーナーさんが購入後は２４時間エアコンで空調を管理されたフロアにて保管されておりますので紫外線等の影響も皆無であり、車の保管状態としては申し分ない状況と言えます。

２ケ月に１回ほどのペースで機関維持の為に近隣を走行される程度ですので、購入後の走行距離は２年で約３００�qほどです。

オーナーさんは室内へのホコリ侵入を嫌い幌は常にクローズドで走らせます。

当然、現状で何ら不具合はありません。

また、購入者が決まり次第、車検を受けますので検査は丸々２年付きとなります。
(参考までにオーナーさんは車屋さんではありません。)

現在もインターメカニカは新車販売がありますが、排ガスの関係でスバル性の水冷エンジンに切り替わっており、高年式の空冷エンジンはかなり希少な存在となっております。

高年式のインターメカニカの品質は大変優れており、オリジナル以上とも言われています。

ただし、生産台数は極めて少数な為、高年式のインターメカニカはほとんど市場に出ません。

尚且つ、これだけの装備状態ですので、探されておられる方には朗報ではないでしょうか。

非常に大切にされてきたオーナーさんですが、次の車両を購入される為、売却されます。

【総評】
以前にもエンスーの杜を何度かご利用いただいたオーナーさんからの出品です。以前の出品車両もそうですが、メンテナンスや車両の状態等、徹底して拘られる方です、
今回の出品車両も、まさに超一品で恐らくインターメカニカの中ではトップクラスの個体ではないでしょうか。オリジナルの３５６を彷彿とさせるこだわりのパーツと、現代の交通事情にも十分に耐えうる快適装備が融合した、ある意味、理想の車両だと思いました。オリジナルの３５６を探されている方にもご覧いただきたい車両です。


車は山口県にあります。