ワーゲンポルシェの呼び名を持つ914です。
ダブルネームの914は既存のコンポーネンツを流用することでコストを抑え、911に比べより安価に楽しめるエントリーモデルとしてヒットモデルとなりました。
年式は76年と聞いています。 この年式からすると最終モデルに当たります。 国内の初年度登録は80年2月、エンジンはインジェクションの2リッター、北米仕様の並行車です。 平成7年10月にショップより購入されました。
外観からはオレンジ一色のウインカーなど北米仕様のアイテムが散見されます。 また、スポイラーやサイドスカートなどのエアロ装着による若干のモディファイが見られます。 購入時にはすでにこの状態で、塗装も以前のワインレッドから現在の色に全塗装がされていました。
外装は傷みのないキレイなコンディションで保たれています。 サビやヘコミ、目立つキズは見受けられません。 元々コンディションはよかったそうで、錆びやすいとされるエンジンルーム内などもしっかりしており、塗装も退色箇所はなくツヤも充分に感じられました。
保管は屋根付き車庫にて、ボディカバーを3重に掛け厳重に行っています。
内装もヤレを感じず良好です。 シートは運転席サイドサポート部に一部破れが存在しますが、それ以外に傷みはありません。 その他ダッシュ、内張りなども問題なしです。 タルガトップは一部塗装のハゲが見られますがヤレはありません。 着脱機能も問題なし、装着時もきしみ音などないそうです。
エンジンの大きな変更点として、インジェクションからキャブへと載せ換えがされています。 キャブはウェーバーの40パイを使用、CPUが不調となった平成9年8月に行っています。 その際にフューエルポンプ、コイルイグニッション、デスビを交換しました。 キャブに変更後は好調を取り戻し、見違えるほどの状態になったそうです。 ただ、交換からすでに10年が経過していますので、乗り出す前にキャブは調整若しくはOHされた方がよいかも知れません。
これまでメンテはサーブで有名なショップにて行ってきています。 そちらのオーナーはご自身がかなりの914フリークであるようで、914を実際に所有し、知り尽くしているとの事から任せてきたそうです。
車検を切らしてから1年が経過しようとしていますが、その間もエンジンを掛け、敷地内を移動するなどのコンディション維持はしてきています。
足回りはオリジナルです。
ホイールはロナールの16インチ、タイヤの山は充分にあります。
ブレーキは平成19年11月にブレーキマスターを交換していますが、ショップよりキャリパーの動きが良くないと指摘を受けています。 おそらくこの状態では車検取得が難しいとの見解だったそうですので、整備が必要と思われます。
リトラクタブルヘッドライトは動きが悪くなったため、平成20年11月にモーターをOHしました。 交換後は問題なかったそうですが、現在では時折右側が開閉しない事があります。
エアコンは装着されていますが、キャブに変更した際に不要との事から配線をカットしており、コンプレッサーは回らなくしてあります。 ブロアは生きていますので、送風としての機能はします。
リアトランクオープナーを電動式に変更しましたが、現在は不調で、トランクフードを開けることが出来ません。 トランク内の状態は塗装のはがれがあるものの、サビはないそうです。
事故暦は現オーナーさんに限ってはありませんが、過去のものは定かではありません。
現在車検切れの状態です。 引渡しは一時抹消渡しとさせて頂きます。
付属品として、クラッチディスク(新品)、Fスポイラー(一部割れあり)、交換したインジェクションパーツ一式があります。
リサイクル券(11700円)は清算をお願い致します。
この914、オーナーさんの所有期間は15年を数えるまでになりました。 15年前と言えば、まだインターネットは普及しておらず、クルマ探しと言えば雑誌か足しげくショップ回りをする時代、オーナーさんも何軒も回って探し求めたそうです。 実際にあってもヤレや傷んでいるものが多く、なかば諦めていた頃にこの914と出会いました。 見ればサビなど傷みはほとんどありません。 見てきたそのほとんどがエンジンルームにサビや腐りが生じており、その辺りが非常にしっかりしていたのは大きな決め手となりました。 全塗装が行われているものの、そのアピアランスはほぼオリジナル、サイドスカートやホイールなどほんの少しモディファイが加えられていたのもオーナーさんの好みにピタリとマッチした仕様でした。 即購入を決め、これまで変わらない愛着を持ちながらコンディション維持に努めてきました。 乗るたびに楽しくなるクルマと評していたオーナーさん、走りの面でも楽しさを与えてくれたようです。 自分の意のままになるクルマの動きは感心する事しきりで、加速、コーナーリング、減速、その全ての動作が自分の手足のように操れる感覚は何にも代えがたいものでした。 途中でキャブに変更したのも大正解だそうで、吹け上がりも見違えるようになり、また、911よりも低いアイポイントから独特な操作感のあるシフトを使いこなすのも914を乗りこなす上で楽しみの要素であるようです。 車検を継続し、さらなるコンディションアップを目指していた矢先に家庭の事情により、惜しくも売却の決意を固めました。 大変に気に入っている仕様なので、出来ればこのままの状態で維持して頂ける方を望んでいます。 コンディションを主として914をお探しの方に検討頂きたい1台です。
実車は東京都八王子市にあります。