1963年のフランクフルトモーターショーにおいて356の後継である911のプロトタイプ“ポルシェ901”が登場します。
翌年から本格的に生産が開始されますがプジョー社が中央に0の入る3桁の数字によるタイプNo.を登録していたため、“901”という車名は使用できず“911”と改め発売を開始します。
エンジンは空冷水平対向6気筒エンジンをリヤに搭載、サスペンションはトーションバー式の4輪独立懸架の採用、ミッションは5段M/T、4輪ディスクブレーキなど高性能スポーツカーにふさわしい仕様となっており、発売と同時に好評を博します。
1965年にはより高性能なモデルを求める声に応じて911Sが登場します。911Sのエンジン901/02は、鍛造ピストン、強化コネクティング・ロッドの採用、バルブ径の拡大、9.8:1に高められた圧縮比、ウェーバーキャブなどの変更により、馬力が130HPから160HPへ出力アップ、最高速度が225km/h、0−100km/hの加速が7.9秒と高性能モデルにふさわしいスペックとなっていました。
1968年には従来のモデル911が911Lと名称が変更になります。またこの年、新たに911Tモデルが追加されます。これでモデルとしてはL、T、Sの3グレードとなります。この3グレードはエンジンのクーリングカバーでも区別ができます。Lは緑、Tは黒、Sは赤となります。さらにこの年スポルトマチックと呼ばれるセミA/Tが登場します。
1969年には911T以外のモデルにボッシュ機械式燃料噴射装置が採用されます。これにより911Lが911Eとなり、最高出力が140HPにアップ、911Sは170HPとなります。
1969年の8月に発表された1970年モデルではすべてのグレードのエンジンが2.2 リッターに拡大されます。これにより各モデルの最高出力は911Tが125HP、911Eが155HP、911Sが180HPとなります。911Sは最高速度230km/h、0−100km/hの加速が7.2秒をマークします。
1972年、年々に厳しくなる排ガス規制にため、エンジンの排気量が2.4リッターとなります。これにより各モデルの最高出力は911Tが130HP、911Eが160HP、911Sが190HPとなります。
1973年には注目すべき911RS 2.7が登場します。これは911のボデーを軽量化し、2.7リッターエンジンを搭載したもので当時のカテゴリであるグループ4スペシャルGTとしてのホモロゲーションを取得するため、限定生産されたレーシングモデルのロードバージョンです。
911RSの最高出力は210HP/6300rpm、最大トルク26.0kg-m/rpm、最高速度240km/h、0−400mの加速が14.1秒と素晴らしいスペックとなっています。
また、RS2.7をベースにしたレーシングバージョン“RSR 2.8”が49台製作されています。RSのエンジンをボアアップ、排気量を2808ccとし、最高出力は308PS、0→100km/hの加速が4.1秒、0→160km/hの加速が9.2秒、最高速は265km/hという性能を発揮しました。
RSR 2.8は1973年のデイトナ24時間をはじめ、多くの耐久レースでGTクラス優勝を果たしています。翌年、ビックバンパーが登場し、ナロー・ポルシェの歴史は閉じられます。
今回ご紹介する車両はポルシェ911Eです。オーナーさんは平成18年に購入され、現在に至っています。
オーナーさん、バイクも好きでガレージには数台のバイクがあり、オーナーさんのメンテナンスを待っていました。ポルシェもある程度のメンテナンスはオーナーさんが自ら実施し、手に負えないメンテナンスは専門店で実施しています。
ボデーは数回塗装を行っているそうです。全塗装ではなく、部分塗装を行っていますので場所によっては若干色が異なる個所がありました。エンジンフードの下側ボデーパネルは塗装の割れがありました。エンジンフードはダックテール付き、材質はFRPです。もちろんオリジナルのエンジンフードはあります。
インストルメントパネルは2か所の割れがありました。ドライバーズシートは現在、コブラのシートが付いていますがオリジナルのシートもあります。ただし、シートクッション部に糸のほつれがありますので補修が必要です。また、シートベルトは4点式となっています。リヤシート左側の背もたれが写真ではありませんが保管してあります。左側のサンバイザーは930用に変更してあります。
エンジンのオイル漏れが見られました。オイル消費を現在1000kmで1.5リッター継ぎ足しますのでそろそろオーバーホール時期だそうです。エンジンのシュラウドカバーが黄色になっていました。プラグコードはシリコンコードに変更しています。燃料タンクの容量は85リッターです。
以下にオーナーさんが購入してからのメンテナンスの履歴をご紹介します。
【90,521km時】
・フューエルホース交換
・フューエルフィルター交換
・ブローバイホース交換
・右カムホース交換
・ポイント交換
・エンジン調整
【91,567km時】
・ファンベルト交換
・オルタネーター交換
・レギュレーター交換
・インナーファンシュラウド交換
【93,158km時】
・Fブレーキパッド交換
・Fブレーキローター交換
・Fハブシール交換
・Fハブベアリング交換
【97,583km時】
・タイヤをチューブレス仕様に変更
・F/Rブレーキホース交換
・ブレーキマスター交換
【98,787km時】
・左右タイロッド交換
・Rスタビライザーブッシュ交換
・ホーン交換
【101,170km時】
・Rブレーキパッド交換
・Rブレーキローター交換
・サイドブレーキ調整
【108,824km時】
・スパークプラグ交換
・フューエルフィルター交換
・Fショックアブソーバー交換
【111,356km時】
・ディスビキャップ交換
・ディスビローター交換
・ポイント交換
・Rショックアブソーバー交換
【付属品】
・エンジンフード(オリジナルもの)
・スピードメーターケーブル
・ドライバーズシート(オリジナルのもの)
・ワイパーモーター(デットストック)
・ワイパーアーム(左右)
・リヤシート背もたれ(オリジナルのもの)
・ドアポケット、ドアノブ(欠品もあり)
・サンバイザー(オリジナルのもの)
ステアリングホイールはお渡しする時にモモプロトティーポーに交換します。
ETCは外します。
通勤車として使用していますので距離数は伸びます。
屋根付き車庫に保管してあります。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。