1973年1月に発売された初代710型バイオレット。
それ以前の1971年8月、510型ブルーバードが610型ブルーバードUにフルモデルチェンジしましたが、610型ブルーバードUは先代510型ブルーバードよりも車格・価格共に上昇し、従前のブルーバードユーザーが代替を躊躇する懸念があったため、サニーとブルーバードUの中間クラスを担う新規車種として、また、510型ブルーバード直系の後継車種としてバイオレットが発売されました。
そんな経緯から、初代710型バイオレットは、ブルーバードシリーズの一車種としての役目も担う位置付けにあり、型式番号「710型」は歴代ブルーバードの型式番号「310型」「410型」「510型」「610型」から連なる「710型」が与えられています。

スタイリングは、直線基調のプレーンな510型ブルーバードから一転、当時の流行を追った曲線基調かつ複雑なプレスラインを取り入れたフォルムに変貌しました。なお、1976年2月マイナーチェンジにより型式711型となり、後方視界を向上するため4ドアセダンがファストバックスタイルからノッチバックスタイルに変更となります。
ボディタイプは2ドア/4ドアセダン、2ドアハードトップ、5ドアバンが用意され、1977年5月の二代目バイオレット（A10型）が登場するまで販売されました。（2ドアセダンは1976年2月のマイナーチェンジ前までの販売）
エンジンは510型ブルーバード譲りのL型であり、シングルキャブレター仕様のL14型とL16型、SUツインキャブレター仕様のL16型が用意され、その後、電子燃料噴射仕様版となるL16E型が登場しました。
グレード体系は、「1400STD」「1400DX」「1400GL」「1600DX」「1600GL」「1600SSS」「1600SSS-E」がラインナップされています。

今回ご紹介するバイオレットは、1975年式（昭和50年式）の1400DXです。
現オーナー様が実車に出会ったのは約2年前です。
電気工事・土木工事の会社を営まれている現オーナー様が事業用地を拡大すべく購入した敷地内に建っていた倉庫に実車が眠っていたそうです。
土地の前所有者様は既にお亡くなりになられており、実車の過去の履歴は定かではありませんが、大事にされていたようで錆・腐食もなく、また、走行距離も少なく（取材時：46,134キロ）、ナンバーも当時の「岩55」ですので、おそらく1オーナー車だったのではないでしょうか、とのお話でした。

その後、外観塗装には多少の色褪せは見られたので同色にて全塗装を施し、ディーラーにて各部をしっかりと整備して車検を取得いたしました。
車検時の主な交換部品は次の通りです。
スパークプラグ、ポイント、バッテリーマイナスケーブル
エンジンオイル、オイルエレメント、エアーエレメント、フューエルフィルター
冷却水、ヒーターコアホース
クラッチマスターキット、クラッチレリーズキット
リアブレーキカップキット、ブレーキフルード
タイロットブーツ、ロアボールブーツ
タイヤ4本

2年前に全塗装された車体は、塗装には艶やかな光沢があり、目に留まるような傷やヘコミは見当たりません。
純正ホイールカバーは3枚しか見当たりませんでしたので、現在は社外ホイールカバーを装着しています。（純正ホイールカバー3枚はお付けいたします。）

機関的な不具合は何もありません。エンジン、ミッションともに快調な状態です。
ただし、アイドリング回転数が少し低いようですので調整したほうが良いと思います。

ダッシュボード、シート類など内装全体に傷みや破れはなく状態は良好です。

現オーナー様は縁あって実車と出会い、手を掛けて息を吹き返すところまで仕上げましたが、なかなか乗る機会はありませんので、代わりに大切にしてくださる方を探されております。

個人のため消費税は不要です。
リサイクル料はオーナー様側でご負担いただけるそうです。
平成30年度自動車税は月割での清算をお願いいたします。

実車は岩手県宮古市にあります。