■■■今回紹介のモデル■■■
日本車初のスペシャリティーカーと呼ばれている初代シルビアCSP311型の紹介です。
クリスプカット(宝石のカット)と呼ばれた美しいデザインでボディラインのエッジ部分がシャープにカッティングされた流麗なクーペボディの一台です。
1965年(昭和40年)初度登録のモデルになります。
現オーナーさんが、17〜18年ほど前に縁あって個人売買で入手し、暫くそのままの状態で保管しておりましたが、一年ほど掛けて、公道、高速道路を普通にストレス無く走行出来るように整備し10年程前より普段の足クルマとして使用しています。車両は、車庫保管です。
オーナーさんは他にも複数のエンスーなクルマを所有されていて今回車両整理の為、売却をされるとの事で掲載をして頂きました。
■■■初代 CSP311型(1965年−1968年)について■■■
1964年(昭和39年)の第11回東京モーターショーに「ダットサン クーペ1500」として出品された後、1965年(昭和40年)4月にダットサン・フェアレディ(SP310型)のシャシーにSUツインキャブ付R型1,600ccOHVエンジンを載せ、2シータークーペ(2ドアノッチバックタイプ)のボディを架装したセミカスタムメイドのスペシャルティカーとして発売されました。
シルビア(SILVIA)の車名の由来はギリシャ神話に登場する清楚な乙女の名前「シルビア(SILVIA)」からで、ラテン語では「森」を意味するそうです。
1.6Lツインキャブ付き90馬力エンジンを搭載し、日本車初採用のポルシェタイプのクロスレシオの4速フルシンクロのトランスミッションと、新型式のダイヤフラムスプリングクラッチを備え、ヨーロッパ同クラスのスポーツカーをしのぐ高性能を発揮するとともに、標準装備の安全ベルト、広い視界など、高速時における安全性にも細かい配慮がなされていました。
ベテラン職人により継ぎ目を極力減らしたボディパネル、ラジエターグリルはアルミ材を削り出す手の込んだ造りだったそうです。
流麗で美しいルックスには不釣合いなタフな乗り心地で、生産期間はわずか3年間で1968年(昭和43年)6月に554台のみで生産を終了、一旦は絶版となりました。
セドリックデラックスが93万円、フェアレディ1600は93万円の時代にシルビアは120万円(現在の貨幣価値では10倍程度に相当すると思います。) の高価格車で注文生産に近い形で生産され、初代生産終了後7年のブランクの後、1975年(昭和50年)10月に2代目がデビューしました。
【主要スペック】
エンジン:R型直列4気筒1595ccOHV
最高出力:90ps/6,000rpm
最大トルク13.5kgm/4000rpm
変速機:4速MT(フルシンクロ)
乗車定員2名
駆動方式:FR
ブレーキ:前=ディスク/後:ドラム
サスペンション:前=ダブルウィッシュボーンコイル/後:半楕円リジッドリーフ
最高速165km/h・0−400m:17.9秒
全長 3,985mm
全幅 1,510mm
全高 1,275mm
ホイールベース:2,280mm
車両重量:980kg
【外装部の整備、交換内容】
・12〜13年前に前後ウィンドシールドを外して全塗装を施しています。(シールドは交換しました。)
オリジナルの色は現在の色よりもう少し緑が強かったそうです。
・メッキ部分は、再メッキを施しています。(約80万くらい掛かったそうです。)
・フェンダーミラーは、オリジナルの形状に限りなく近いものに交換。
・テールレンズは、オリジナルから型を起こして単色(赤)にて製作したものを使用中、オリジナルのパーツは保管してあります。(オリジナルは、赤とオレンジの2色使いです。)
・暗いシールドビームは、HIDに変更。
【外装の状態】
・全体的に塗装の状態は良く、艶、光沢も充分にあります。
・右ドア下部に2箇所と左フロントフェンダー下部に塗装の浮きが確認できました。
【内装部の整備、交換内容】
・シートは張替え済み。
【内装の状態】
・ここ最近オーナーさんは多忙で室内の清掃の時間が取れないそうで全体的に若干の汚れなど見受けられますが、レザークリーナー等で充分キレイになるレベルだと感じました。
・内装は、白を基調としたおしゃれなシートは張替え済みでキズや破れ、ほつれなど無く傷みの少ないコンディションです。
・ダッシュボードやセンターコンソールに割れ等は無く良好な状態です。
・ルーフ内張りに垂れやキズなど無く良好な状態で問題はありません。
・ドア内張りにキズ、破れは無く良好な状態です。
【機関等の整備、交換内容】
・モーター類は、新品に交換済み。(セルモーター、ワイパーモーター)
・オーバーヒート対策でラジエターコア交換、導風版の追加、室内ヒーターは別物に交換。
・エンジン腰上SUキャブOH。
・リヤリーフスプリング、フロントコイル、ショックアブソーバー4本交換。
・クラッチ、ブレーキ等は、新品に交換。
・ミッションは、5速のものに交換。(オーナー曰く、5代目S13型の物ではないかとのことですが、裏づけはありませんので参考にして下さい。)
・各所リレーの交換。
・メーター類は、燃料、水温計は、新品に交換。
・時計は、非オリジナルの新品に交換。(正確に作動中です。)
・スピード、タコメーターは、OHワイヤー交換。
・オーディオ類は、アンテナ交換及びFM付きラジオに交換しブースターを追加して10連奏CDチェンジャー取り付け。
【整備履歴】
・車検証記載走行距離
[走行距離計表示値]68,400km(平成25年9月11日)
[旧走行距離計表示値]64,800km(平成23年9月26日)
・日頃のメンテナンスは、知り合いの整備工場にて実施しています。
・現在特に気になる箇所は無いそうです。
【その他】
・タイヤサイズ:165/80R14(BS製タイヤの山はまだまだ充分あり、次回車検まで交換不要だと思います。)
・車検に関しては、古いクルマなので光軸、排ガス等苦労はあるようですが、オーナーさんのお住まいの管轄陸運支局は、厳しさで名高い車検場とのことですが、毎回普通に通るそうです。
・ETC付きで高速を100km+αで流れに乗って巡航走行できます。
・貴重な取り説もあります。
・消耗品及びエンブレム等ストック部品も多少ありますのでご希望の方には、お付けいたします。
因みに一部紹介しますと、バンパー、フロントガラスなどあるそうです。(希少だと思います。)
・あと、以前発注してあったSP用マフラーが最近納品されましたが未装着です。こちらもご希望の方にはご相談させていただきます。
<取材後の感想>
フロントマスクのデザインなど今見てもいいデザインですよね。ボディサイズもナイスサイズだと思います。この時代のものでも充分お洒落なクルマとして通用すると思います。
リアコンビライトがかなり小さくシンプルなところは好感がもてるデザインで、メッキパーツのアクセントとは今のクルマ造りではなかなか出来ない造型だと思います。
クラシカルでレーシーなメーター周りからスイッチが並ぶインストパネル、メッキを施したドアハンドルは、オシャレです。
オーナーさんのご好意により助手席に同上試乗させて頂きました。
エアコンが無くパワステアも無く、窓ガラスの開閉ハンドルなど今の時代のクルマに比べさすがに時代を感じる部分はありますが好印象の感じ方でした。半世紀近く時を経ても動体保存されている車両は全国的にも大変貴重な個体ではないでしょうか。
現車確認、見学については、オーナーさんも多忙な為、購入を前提とした上でご連絡をお願い致します。
個人売買の為、消費税、諸費用はかかりませんが、リサイクル料(¥5,250−)と、月割りの自動車税のご負担をお願いいたします。現状渡しのノークレームとなります。
実車は、静岡県沼津市にあります。