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いすゞ117クーペ ☆☆XE 1979年式
車検 30年7月 走行 108,500km 備考 ディーラー車 スリーオーナー 5MT ETC
長さ 4320mm 1600mm 高さ 1320mm 重量 1170kg 排気量 1949cc
取材日2017年5月16日

角目4灯の後期型、スターシリーズの最高級グレード・XEです。

1968年(S43)12月に登場した117クーペは、12年もの長きにわたるモデルライフの中で、世の中の大きなうねりやいすゞ自身の経営状態の影響を受けながら変化し続けた車でもあります。

最も大きな節目は1973年(S48)3月の、半手作りとも言える手間のかかるボディワークから量産体制を整えた時と、1977年(S52)11月の、角目4灯をはじめとして内外装を大幅に刷新させた、2つのビッグマイナーチェンジですが、今回のお車はその2つ目のビッグマイナーチェンジ後のモデル、通称後期型、量産後期と言われるモデルです。

その後期型の中でも、1978年(S53)12月に行われた更なるマイナーチェンジ、53年排ガス規制に適合させるためにエンジンを2リッターに拡大、☆☆(スター)シリーズと名付けられたモデルがこちらのお車で、初年度登録は昭和54年3月になります。

後期型の特徴としては、それまで約8年続いた丸型4灯から角型4灯ヘッドライトに変更となり、バンパーもスリムなメッキバンパーからラバーで覆われた衝撃吸収式大型バンパー(コンビランプ埋込)にチェンジ、フロントエアダムも追加と、外装が一新されたことが挙げられます。

のみならず内装にも大幅にメスが入れられており、ダッシュボードからセンターコンソールがそれまでの'60年代テイストが色濃いものから、角形メーターやビルトイン式エアミックスタイプのエアコンも含め、'70年代後半の車として全体的に精一杯化粧直しをしたものに変貌を遂げています。

走りの機能面でも進化を遂げ、パワステの採用やサスペンションセッティングの改良、スターシリーズ以降はフルトラ点火や4輪ディスクブレーキ(一部上位グレード)採用など、排ガス規制対応のためではありましたが低中速域でトルクアップしたエンジンも含め、'70年代後半の車にふさわしいアップデートが随所に施されていました。

●● プロフィール ●●

生粋のエンスージアストで、現在もモーガンプラス8やケータハム、ホンダNSXやベレGその他を所有するオーナーさんが、昔から憧れていたとのことでこちらのお車を手に入れたのは、2010年(H22)11月でした。
購入先はいすゞ車専門店で、オールペン済み(元色はイエロー)でツーオーナー、フルノーマル車という触れ込みでした。
フルノーマルとはいえホイールは社外の15インチに交換され、IPFのフォグランプが装着されています。
サビに弱い117クーペの常、ドア下やエンブレム周りを中心に、小さいものが多いですがサビは散見される状態です。
総じて、購入当時からほぼ現在の状態に近かったとのことです。

特筆すべきは新車時からの履歴が概ね残っている点で、ファーストオーナーの記録は新車購入時の注文書を含め全て残っていると思われます。
2005年(H17)〜2010年(H22)までのセカンドオーナーの記録がほとんど残っていないのがやや残念ですが、ファーストオーナーは26年で約84000km乗っており、現オーナーさんは約6000kmの時点からの記録がありますので、こういう類のお車ですから、セカンドオーナーも5年で約20000km走行と言うのも想像に難くなく、実走108500kmのスリーオーナー車であることがほぼ確実であると言えます。
現オーナーさんになってからは7年で約2500kmしかマイレージを重ねていません。

所有台数が多いため、もっぱら気が向いたときに、調子維持と楽しみのために走らせる程度とのことで、遠出もほとんどせず、激しい走りなどは一切していません。
現オーナーさんになってからは雨天走行も全くしておらず、普段はカバーをかけて保管しています。

●● コンディション(外装) ●●

オールペンされた、鮮やかで艶やかなライトブルーメタリックのボディが印象的です。
磨きキズなどもあまりない、ひと目見てキレイな、117クーペによく似合うボディカラーです。
足元の社外ホイール(BS)とフォグランプ以外はほぼフルノーマルを保っています。

目立たないモディファイとして、ファーストオーナーが施した後付けサンルーフがありますが、作動は不明です。
オーナーさんが購入時、ショップから「開けない方がいい」と言われたのでその通りにしており、1回も開けていないとのことです。

また、雨天も未走行のため、そこからの雨漏りがあるかどうかも不明とのことです。
過去にテープで塞いだであろう跡が残っているため、もしかしたらあるかもしれませんが、天井内張りのサンルーフ付近に雨漏り跡は見当たりませんので、予防的な意味で貼っていたのかもしれません。
同様に、雨天未走行のため、リアの熱線が作動するかどうかも不明です。

サビは件のサンルーフやその周辺、ルーフ後端、左側Aピラー先端付近、左右のドア下側、右側サイドシル前方、右側リアフェンダー下側、右側リアフェンダーのエンブレム周辺、リアバンパー下の左側等に見受けられます。

サビは散見されるものの、凹みに関しては左側ドアにある2箇所のデントや、右側ステンレスモールの後方あたりにあるデントがやや気になる程度で、大きいものはありません。

スリキズは、フロントバンパー右側角にやや大きいものがあり、リアバンパー左側角にもありますが、どちらもラバー部分のためあまり目立ちません。

メッキの状態はステンレスモールを含めやや曇りのある部分もありますが、年式からすると概ね良好です。
エンブレム類も同様で、大きな瑕疵や欠品はありませんが、年式なりの痛みは多少はあるといった感じです。

ヘッドライトは4灯とも全てIPFのものが装着されています。
フォグランプやその他灯火類は全て作動・点灯OKですが、ヘッドライトウォッシャーはNGです。
電動フェンダーミラーの作動はOKです。

●● コンディション(内装) ●●

オーディオとETC、ABCペダルがノンオリジナルなこと以外はほぼフルノーマルで、年式を考えると概ね良好に保たれています。

本来純正ラジオがあるスペースを加工して設置されたオーディオはオーナーさんになってからのもの(Carrozzeriaのチューナー付きCDデッキ)で、完動品です。
オーディオ下にある、元々8トラかカセットのデッキがあったと思しきスペースは空いたままになっています。

パワーウインドウやトランクリッドオープナーの作動もOKですし、ワイパーもOKです。

メーター類もOKですが、後期型から採用の集中ウォーニングシステムにある、フットブレーキを踏むと点灯するランプがやや接触不良で、走行中点灯する場合があります。

また、本来のイグニッションスイッチが接触不良なのか不調なため、車両を購入した専門店にて後付けのイグニッションスイッチが設置されています。

エアコンはガスが抜けており、取材の2ヶ月ほど前に、件の専門店に診てもらった際には「ガスを入れれば効くはず」と言われたとのことです。

天井内張りにタレはありませんが、周辺部の若干のほつれと助手席側前方にL字型の裂けがあります。
ダッシュボードについても、中央付近に大きめの割れ、助手席側に小さめの割れがあります。
シートは全般的に良好で、スレやヤレはありません。
純正ステアリングも良好です。

●● コンディション(機関) ●●

永井電子のプラグコードと静電気除去グッズのフューエルバンクEVO SPUが装着されている以外、フルノーマルを保っています。

脚回りも含め、走りに関する部分は全てノーマルで、何も手を付けていないとのことです。
また、現在不調箇所は特にないとのことです。

●● インプレッション ●●

鮮やかなライトブルーメタリックにオールペンされたボディが一際目を引きます。
パッと見気になるサビは右側リアフェンダーのサイドマーカー部分にあるもので、黒いサビ止め処理がされているここだけは面積がやや大きめです。
他のサビは小さいものが多いですが、やはり当時のいすゞ車はサビには弱め、屋根付き保管かカバー保管が良さそうですね。

オリジナルから大幅に変わってしまったと言われることもある角目後期のスタイリングですが、なかなかどうして、角目は角目で独自の雰囲気が良いですね。
涼しげな目元は後のピアッツァにもつながるものがありますし、並べれば全然違うもののマセラティのビトゥルボ系にも通じるものが感じられます。
また、一文字型のリアコンビランプを持つリアスタイルとのマッチングも、角目4灯の方がバランスいいかもしれません。
ハンドメイドからは変遷を遂げましたが、やはりこの車もジウジアーロの作品だという主張が強いですね。

内装はダッシュの割れこそ気になりますが、そのほかは概ね良好、特にシートの劣化が少ないのが高ポイントですね。
イタリアンテイスト溢れるオリジナルの7連丸形メーターからガラッと変わった角形メーターも、機能的には見やすく'70年代らしい表情で、今見るとこれはこれで味わいがありますね。

イグニッションスイッチは不調のため後付けのものと2段構えとはいえ、始動自体は一発、アイドリングもとても安定しています。

助手席にて試乗させていただきました。
エンジンは2リッターDOHCですが、現代のエンジンようにヒュンヒュン回る性格ではありません。
とはいえ低中速トルクは十分なようですので、電子制御インジェクションによる全域にわたる安定したフィーリングを伴いながらマイペースでドライブを楽しむのが適した車といった感じです。

パワステなので狭い道でも極めて軽快に運転されている様子が印象的です。
昔のパワステなので高速道路では逆にもう少し重くても良いという評も聞きますが、一般道での走行がメインで重ステでは疲れてしまうという方には嬉しい装備ですね。

乗り心地はやはりリアがリーフリジッドなだけあってバタつくシーンもややありますが、中期型より若干良くなっている印象も受けました。

●● まとめ ●●

無彩色のエコカーやミニバンで溢れる現代の路上において、この色とスタイリングは明らかに異質、風景を一変させるだけのインパクトがありますね。
インパクトだけならもっと旧い車にもありますが、旧すぎるため得てして扱いにくかったり繊細過ぎたりして、気軽に愉しむには少々荷が重かったりする場合も少なくありません。

そこへ行くとこのお車はインジェクション、パワステ付きで4人乗り、ETCとオーディオも完備ですから、保管に対する気遣いが必要とはいえ、普段使いできる日常性も申し分ありません。
エアコンのガスだけは入れて、積極的に乗って愉しみたい方には打ってつけの1台と言えますね。

オーナーさんは車両入れ替えのため、売却を希望されています。

お車は、東京都練馬区にあります。

個人の為、消費税はかかりませんが、月割りの自動車税のご負担をお願いいたします。

以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、エンスーの杜で裏づけを取ったものではありません。
SOLD OUT
画像クリックで拡大出来ます
ライトブルーメタリックが鮮やかな角目4灯の後期型です。 
BSの15インチホイールとIPFのフォグランプ以外はノーマルです。 
真横はひときわエレガントですね。 
当時の最高級グレード、XEです。 
複雑な面構成のこの部分がスタイリングのハイライトです。 
優雅で伸びやかなだけでなく、居住性も考え抜かれたボディ。 
角目4灯の後期型にも根強いファンは多いですね。 
灯火類は概ね良好です。 
飛び石等はあまりありませんが、ラバー部の波打ちはあります。 
フロントバンパー右側角のスリキズ。 
 
ホイールは4本ともこのような状態で、ガリキズはありません。 
 
 
サンルーフは不動、サビ浮きが点在します。 
 
 
ステンレスモールはやや曇りがあるものの良好です。 
 
ルーフ後端部のサビ。 
エンブレム類は欠品なし、標準的なコンディションです。 
 
 
外観上もっとも大きなサビ部分。サビ止めで簡易補修してあります。 
左の後端部下側にもサビあり。 
助手席ドアのデント。 
右側ステンレスモール後端部にあるデント。 
リアバンパー左側角にあるスリキズ。 
ボンネット裏も含めエンジンルームは良好です。 
赤いヘッドカバーがDOHCヘッドを物語ります。 
元色のイエローが見えますね。 
トランクルームも良好です。 
 
'70年代テイスト全開な、概ねノーマルを保つインテリア。 
フロントシートは両脚とも良好です。 
いすゞ車のインテリアは趣味がいいですね。 
 
 
後付けのイグニッションスイッチとフォグランプのスイッチ。 
社外品のABCペダル。 
 
タレはありませんが、助手席側前方にL字型の裂けがあります。 
 
リアシートも良好です。 
ダッシュボード中央付近にある割れ。  
助手席側前方にあるダッシュの割れ。 
下回りは概ね良好です。 
 
 
 
 


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