型式PF60の初代ジェミニです。
当時提携先であったGMが打ち出した世界戦略車構想に基づき開発が進められ、ドイツではオペル・カデット、ブラジルではシボレー・シェヴェットなどカデットをベースとした姉妹車が存在し、74年にジェミニとしていすゞよりデリバリーされます。 ネーミングのジェミニは双子座、GMとのパートナーシップをその意としているそうです。
そのラインナップの中でも79年に追加されたスポーツグレードがZZシリーズです。 いすゞのクラフトマンたちの手により乗り手にロマンがある限り、作り手にもロマンがあるとのわがままで完成したとされ、当時からDOHCエンジンを搭載、足回りには4輪ディスクブレーキにリアスタビライザーなどが装備され、その戦闘力の高さから参戦した全日本ラリー選手権では総合優勝を果たすなど、まさに走りに徹したモデルとして君臨しました。
ご紹介のZZ/Tは同時に用意されたスポーティさを前面に押し出したZZ/Rと比較し、コンフォート色の強い仕様です。
4ドアセダンのこのZZ/T現オーナーさんでツーオーナー目、良好なオリジナルコンディションが保たれています。 購入は平成15年5月、その際約23000kmの距離が刻まれていたそうです。 初代オーナーによれば所有した20年間は雨天未使用、家族には不便を強いてきたそうですが、晴れと曇りのみ使用していたと聞いています。 保管はボディカバーを2重とし、建物の北側に置いていたとの事から日焼けによる退色等がさほど見られない状態だったそうです。 現オーナーさんに至ってはシャッター付の屋内保管で、99%雨天未使用との事です。
内外装とも仕様の変更はなく、非常にキレイなコンディションです。
外観から傷みは見られず、塗装のツヤも申し分ありません。 譲り受けた時からサビなどの傷みはそれほど無かったそうですが、エクボが数箇所に見られたため購入後すぐに補修をしています。 また唯一サビが現れていたトランク内左側の床も同時に補修しました。 塗装はオリジナルベースですが、これら補修した左右ドア・ボンネット・ルーフは再塗装を行っています。 また各ドアのウェザーストリップ、フロント・リアガラスのモールなどのゴム類は全て交換しています。
現オーナーさん所有時に事故暦はないとの事で、過去にもないと聞いているそうです。
内装もステアリングを除いては当時のオリジナルのままです。 全体を見ても傷みの類は見られません。 シートも破れはなく丁寧に扱われてきたのが見て取れます。 その他天井やダッシュ、ドア内張りなどもキレイです。 ステアリングはノーマルを保管されていますので、フルオリジナルへ戻すことも可能です。
機関も好調です。 これまでトラブルの経験はなく、修理履歴はありません。 各年の6ヶ月・12ヶ月点検は欠かさず行っており、適時に油脂類の交換等の基本メンテを行っています。 また平成20年にマフラーを純正の新品に交換しています。 これら現オーナーさんの整備明細は保管されています。
エアコンは約4年前にエバポレーターからのガス漏れを修理し、その後は非常によく効くそうです。
オーディオはオリジナルのカセット・チューナーです。
ETCはこのままお付け致します。
タイヤは5部山程度ですが、購入時に交換したものですので、若干硬くなっているかも知れません。
個人のため消費税はかかりませんが、リサイクル券(5690円)と自動車税の月割りはご負担をお願い致します。
この6年間で19000km程の距離を伸ばしてきました。 オーナーさんにこのジェミニの魅力を伺うと、G180型のDOHCエンジンを歌わせた走りこそがこのクルマのクライマックスだそうで、DOHCの文字が高らかに謳われた当時のカタログと違わない走りが楽しめるとの事でした。 また初代オーナーも非常に大事にされてきており、キレイなコンディションであったのも購入の決め手となったようです。 これまで大事に扱ってきましたが、今回乗り換えのため売却を決意しました。 117からの流れを汲むいすゞ伝統のDOHCエンジンに思いを馳せる方に、オリジナル度の高いこのZZ/Tは一考の価値ありと見ました。
実車は東京都八王子にあります。