第2次大戦後、日野がルノーとライセンス契約を結び、ノックダウン生産を行った4CV。RRのため、小柄な車体にもかかわらず、広い室内空間をもつため、タクシーとしても広く使用されました。

今回ご紹介するのは、56年前の製造ながらいまだノンレストアという、かなり希少な個体となります。
現オーナーがこの4CVを購入したのが平成21年3月。それまで30年近く倉庫の奥に保管されていたこの個体を、キャブとブレーキのオーバーホールを施した程度で、なんと京都から東京まで自走で持ち帰ってこられたそうです。以来シート下の防錆処理などを施しながら、コツコツとエンジンのパーツを収集、ついに昨年約130万円かけてエンジンのフルオーバーホールを実現しました。オーバーホール後は順調そのもので、関東近郊のイベントにも自走で参加されていますが、調子を落とすことなく、これまで500km弱走行されているそうです。

【 外装 】
塗装については、内装側やホイールとの比較からして、おそらく未再生とのことです。とても56年の歳月を経てるとは思えない艶があります。さらに車体の各パーツをみても、ヘッドランプや補助灯、フェンダーミラーをはじめ、ほとんどのパーツが新車時のままです。ミラーやメッキ部分に若干の錆はあるものの、これも56年前のパーツであることを考えると、この程度であること自体が驚異的に思えます。観音開きの逆に開くドアや三角窓などの可動部分も極めてスムーズに可動します。
また、BFグッドリッチ製のホワイトリボンタイヤには溝がまだ十分にあります。

【 内装 】
運転席シートに薄い破れはあるものの、表皮の模様もきれいに残っており、クッションもヘタレなく良好な状態です。ダッシュもヒビなどはありません。天井にはやや黄ばみがありますが、これも年式相応の味わいかと思います。
シート下の錆対策についても、鋼板用塗料で処置済みです。
ヒーターは効くそうです。
吸盤で取付されているカーナビもお付けします。

【 機関その他 】
前述のとおりエンジンはオーバーホール済み、6Vのバッテリーも交換したばかりなので、コンディションはいたって良好です。
助手席に同乗させていただき近所を試乗しましたが、動きにも全くギクシャクしたところがなく、なかなかの加速を見せてくれました。これなら街中でも流れにのって走れそうです。また乗り心地も大変素晴らしく、とても50年以上前の車とは思えない、しっかりしたものでした。
管轄内の方であれば「京 5」ナンバーを、引き継ぐことも可能です。

【 備考 】
車は足立区にあります。
月日の経過により、現車の状態、走行距離など、本記事や画像との相違が発生することを予めご了承ください。

【 ご購入の際 】
個人売買の為、消費税はかかりませんが、月割りの自動車税の精算をお願いします。