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斉藤円華の「横入り自動車ライター血風録」・第32回
 
カニ目! 16th National Healey Day 2008
 
 
 今回は5月24日に静岡・白糸スピードランドで開催された「16th National Healey Day 2008」(主催:Austin Healey Club of Japan)の模様をお伝えします。
 「カニ目」の愛称で親しまれているオースチン・ヒーリー・スプライトMkIは、今年で誕生50年! 今回のヒーリーデーはカニ目のアニバーサリーイベントともなったのでした。
 
−カニ目がたくさん−
 白糸スピードランドは富士山の西の裾野にある小ぢんまりとしたサーキット。スプライトMkI、100、3000などが集まってきています。
  カニ目の「50歳目の誕生日」を祝うデコレーションが。  かわいいですね。
  カニ目、大集合! このクルマの特徴は何と言ってもボンネットからチョンチョンと飛び出したヘッドライト。イギリスでは「フロッグアイ」、北米では「バグ・アイ」とも呼ばれたユーモラスなフロントフェイスです。
 カニ目ことオースチン・ヒーリー・スプライトMkIは、1958年から61年までイギリスのメーカー、BMCで生産されたライトウェイト・オープンスポーツ。カニ目の4気筒OHV948ccのオースチンA40ユニットは42.5ps/5000rpmと控えめのスペックながら、650kgの軽量ボディによって軽快・活発なドライビングを提供し、今なお多くのドライバーに愛されています。
 見てください。川を遡る稚魚のようです!

 当日は各モデル合わせて28台のオースチン・ヒーリーが集結。中でも一番台数が多いのが、このスプライトMkIでした。
  突然の雨! 各車大急ぎで幌をかぶせます。ボタン一つで幌を開け閉めできる現代のオープンカーから見れば何ともアナログですが、これもヒストリック・オープンカーの醍醐味?!   サイドガラスもこのように取り付け式です。今の車しか知らない人が見たらびっくりしますね。
 
 
−ヒーリーの魅力とは?−
 それでは各オーナーにインタビューしてみましょう。
  このカニ目(年式不明)はオーナーの小林伸一さんが5年かけて自力でレストアしたもの。18年前に入手した時は走るのがやっとという状態だったそう。エンジンOHから始めて鈑金(パテ盛り、塗装)からボディの補修まですべて自分でやったそうです。   小林伸一さん。「仕事から帰って毎日30分〜1時間ずつレストアしました。この作業のために溶接までマスターして(笑)。このクルマの魅力? そうだなあ、アクセルとステアリングですかね。ハンドル握ってる時は楽しいですよ。まさにライトウェイト・スポーツですね」
  これは1962年式3000MkII。大幅にモディファイが入っています。Fフェンダーの大きなエアスクープが戦闘的。当日もサーキットに野太い排気音を響かせて疾走していました。   オーナーの山岸正孝さん。「アメリカのチューニングショップ『デニス・ウェル』のパーツを組み付けています。3速でもホイールスピンしますよ(笑)。セッティングがまだこれからで、今日は本調子の75%くらいかな。ミニ、カニ目2台と乗り継いできましたが、魅力はこのスタイルです」。フロントグリルから見えるアルミの導風版に注目。

 これはスプライトMkIの変り種、ローバーKシリーズユニットを積んだ「スプライト・セブリング」。





  ウォーリアーのツインカムヘッドを載せています。速そうです。

  ボディラインが優雅な1956年式100M。エンジンは4気筒、2・6リッター。





  ホイールのスポークも綺麗にペイントされています。
  なだらかなカーブを描くリアビュー。   コクピット。ダッシュボードの濃紺色が上品です。

 この100M、Mは”Le Mans”のM、つまりルマン24時間レースに出場するためのチューニングキットが組み込まれたモデル。銘板にはそのことが記されています。この個体は640台の内の150台目だそう。


  オーナーはこのクラブの代表を務める武森博さん(左)。「一番の魅力は『ハンサム・ブルート』と呼ばれたこのスタイリングですね。ブルートとは『ポパイ』に出てくるあのブルートのことで、かっこいいけれど走りはワイルド、というこのクルマの特徴をよく表していると思います」。当日はご家族でイベントの運営に当たっておられました(お疲れ様です!)。中央は令嬢の万葉香さん、右は奥様の真由美さん。
  楽しいランチタイム。   ゆったりとした時間が流れます。
 
 
−激走! サーキット−
 このイベントの一番の楽しみは何といってもサーキット走行! その走りは、とても50年前のクルマとは思えない軽快なもの。各自思い思いに楽しんでいるようでした。
 タイムトライアル。手の合図でスタート!

 ここからはサーキットコース上の雄姿をお楽しみください。皆さん楽しそうです。
 
 クラブにとって年に一回のメインイベント、「ヒーリーを好きな人同士が一日楽しく過ごせるイベントとして企画しています。『参加者全員でつくる』というこの雰囲気を大事にしたいですね」とは代表の武森さんの言葉ですが、アットホームな雰囲気の、とてもリラックスできるイベントでした。
 
 Austin Healey Club of Japan ウェブサイト: http://www.yk.rim.or.jp/~healey/
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…横入り自動車ライター。現在、エンスーの杜に愛車117を出品しています。ランニングコンディションですが、機関・足回りはしっかりしていますので、ご興味のある方はぜひご検討を!
※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/
※ mixi(ミクシィ)にもプロフィールがあります。

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