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斉藤円華の「横入り自動車ライター血風録」・第28回
 
濃密! JCCAニューイヤーミーティング2008
 
 
 エンスー恒例の新年行事、JCCAニューイヤーミーティング。
 「今年は一体どんな旧車に出会えるだろうか・・・」と、楽しみにしている人も多いはず。もちろん私もその一人だ。
 2008年の今年も快晴に恵まれた(寒かったが・・・)。会場についてすぐ「あれ、去年より人出が多いな」と感じた。旧車ブームの波が大きくなっているのか?
 
−今年のコンクールはトヨタ車−
  広大な会場を埋めつくす人、人、人。
 活気のあるイベントは人の流れが活発なもの。あと、直感的な言い方で恐縮だが「楽しい空気」が充満しているのだ。当日はまさにそんな雰囲気だった。
 会場についてすぐ、パレードの参加車両が戻ってきた。
  ロータス・エラン。   71年式ランチア・フルビア・スポーツSr.2。
 うおっ、何だこのクルマは!   一転して和みキャラ。67年式フィアット・ムルティプラ。
  スバル360。ホットバージョンのヤングSSか?   アルピーヌA110。
 フィアット131アバルトラリー。
 おっ、かわいいおチビちゃんたちです。
  スリーホイーラーの60年式バークレーT60。
  エンスー車が渋滞中。壮観です。
 にぎわう会場。若い女性の姿もちらほらと。
 今回はケータリングブースも充実! お腹を空かせてふらふらする必要は、もうありません?
 毎年テーマを決めて愛車自慢を競う「コンクール・デレガンス」、今年はトヨタ車です。
 この連載でもおなじみ新津光洋さんのカローラ1100。
 スパルタンなTE27レビン。  72年式セリカLB2000GT。
 レモンイエローとボンネットの黒のコントラストが眩しいです。68年式1600GT。  レーシーな車内。シートの破れもありません。
 ハードトップがイイネ!  七宝焼でしょうか。凛としたエンブレム。
 屹立する二つのカムヘッド。これもツインカムの愉しみです。  オーナーの野崎喜文さん。「27年間乗ってます。同じ黄色でもみんな微妙に色が違うんですよね。トヨタからはほとんど部品が出ませんが、20年前にエンジン整備とオールペンしてからは手がかかりません」。この日のコンクールにも入賞しました!
 
−まだまだ出てくる希少車−
 
これはライムグリーンと黒の組み合わせ。66年式サーブ・ソネット。
 フロントフェンダーの取っ手は何でしょう・・・?  何と! フロントカウルががばっと開きました。
 エンジンは2サイクル水冷3気筒、841cc。FF駆動です。  北欧らしく、モダンリビング?な車内。
 リアフェイス。  開きます。何気に実用的です。
 中澤健治さん。「横浜から来ました。FRPボディで軽量です、150キロ位は出るんじゃないかな。所有して2年です。自分で車検を取るのが本当に大変で・・・。排ガスで4回ひっかかりました」。維持は大変そう。でもこういうライトスポーツに乗りたいです。
 パレードで見たクルマが、ここにいました。67年式デトマソ・マングスタ。鮮血のような真紅のボディ。シビレル・・・。  リアエンジンフードはガルウィング式。たちまち人だかり。
 トランスミッションにはZFの刻印が。  機能美のコクピット。
 宮下孝彦さん(左側)。「2000年に入手しました。ヨーロッパ仕様です。排気量はフォードの4728cc、当時で305馬力は出たと思います。気に入った所? スタイリングですね」。ちなみにデザイン担当はジウジアーロ。お隣は友人の小林さんです。
 手前のオート3輪、ミゼットともマツダとも違うようですが・・・?  これはホープ自動車の「ホープスターSM」という3輪車です。バーハンドルではなく丸ハンドルのオート3輪はホープスターSMが最初だそう。
柿澤仁さん。「オート3輪には2つの系譜があって、オートバイの発展型と4輪車からのダウンサイズ型があるのですが、これは後者ですね。去年の8月に草ヒロ化していたのを引き取りました。エンジンが特殊で、ピストンは2つあるけれど燃焼室がつながっているので『2ピストン1シリンダー』とでも言うような形式になっています」。そんなエンジン形式があること自体が驚きです。
 
−会場点描−
 ロータス・エランに見入る女子。  フォード・コーティナ・ロータス。隣にもロータスの名車が。
 マーケット出店車。ジャンクな雰囲気がぷんぷん。店主に声をかけましたが爆睡中。  いすゞの移動販売車か。宅配車?
 全日本ダットサン会はビンゴ大会で盛り上がる。
 フロンテ360やNコロのエンジンを搭載したレーサー「FL」のクラブ「FL RACING CLUB」のブース。手前の車両には元F1レーサーの中嶋悟氏が乗っていた。  パブリカオーナーズクラブ。パステルカラーがかわいいです。
 
−マイクロカー、キター!−
 さっきパレードで見たマイクロカー、その集合する一角を訪れてみた。
 4輪のメッサーシュミット、58年式F.M.R. TG500。「タイガー」の愛称を持つ。

 でも外見はユーモラスです。
 キャノピー。まさに「地を這う戦闘機」だ。  
 エンジンの点検窓。  キャビンを開くとこんな感じ。

 クルマよりきっと零戦に近いんでしょうね。足元です。
 「ぜひ、試乗させてください!」とお願いして乗せていただきました。走り出したらどんな事になるのか。  
 山辺浩一さん。「このクルマが出たころはスエズ動乱が勃発して石油供給に不安が拡がった頃。それで小さなクルマが流行ったんです。130キロまで出せますが、こわくて100キロまでしか出せません(笑)。(このバブルキャノピー、夏はほんとに暑そうですね、との問いに)いやいや、冬でも暑いですよ(笑)」。メッサーは合計で4台所有している。いずれは「ちびぐるま博物館」を開くのが夢だそう。
 イセッタ、トロージャン200、メッサーシュミット。まるでマーブルチョコです。
 兵庫からフェリーで駆けつけた「イセッタクラブ」の保志岩(ほしいわ)勲さんの61年式BMWイセッタ250。こういう風に前を開けて乗ります。
   

 こちらにも試乗させていただきました。タイガーよりは乗用車的です。
 ドアとハンドルが連動。  
 足元にも若干のスペースがあります。手動式のサンルーフもあって開放的です。  ころっとした感じがかわいい!
 これは57年式アメリカ仕様のイセッタ。大きく開くので乗り降りは容易。フロントドアの内装はオリジナル。
 このオーナーはイセッタクラブの「広報部長」、ハイタニノリコさん。「エンスーの杜、いっつも見てますよ〜!!」とアツい反応が。この連載をやっててよかったと思う瞬間です。イセッタは愛知にあったが、4ヶ月かけて前オーナーを口説き落とした。「デザインが気に入って、探しに探しました」と語るハイタニさん、デザイナーの職業を生かして会の名刺やステッカーを作成。これがまたポップでおしゃれなのです。
 ハイタニさん謹製のクラブオリジナルステッカー。
 ※ ハイタニさんのブログ「Isetta Isetta Isetta♪」 
 クラブ会員のワカハマユミコさんはオレンジがまぶしい60年式イセッタが愛車。「たまたま開いた雑誌に出てたイセッタを見て『何、このクルマ? かわいいじゃん!』と一発で惹かれました。燃費もすごくいいんですよ」
 ハイタニさんからはおみやげの「イセッタ・クッキー」までちょうだいしました。美味しくいただきました!
 小さくてオシャレでかわいくて、低燃費でエコなマイクロカー、女子の心わしづかみである。来るか、マイクロカー・バブル!?
 ・・・と取材に夢中になっていたら、コンクールの授賞式がすでに終了! あわてて会場に駆けつけて、大賞に輝いたクルマを撮影。
 57年式トヨタ・マスターライン・ピックアップ。丸っこいデザインがキュートです。  荷台のレトロバイクもいい味出してますね。
 オーナーは河村智教さん(右側)。堂々の受賞です。
 今回は例年と違って若い女性を見かけることが多かった。画一的なクルマがあふれる巷にあって、旧車は「エンスー」としてでなく「オシャレ」で「カワイイ」乗り物として映っているのか。男くさいエンスー車の世界にとっては、きっと好ましい変化にちがいない。
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…横入り自動車ライター。今年は寒いですね。東京でも霜柱や水たまりに張る氷を見ました。久しぶりのことなので驚いています。
※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/
※ mixi(ミクシィ)にもプロフィールがあります。

【次回予告】
 神奈川は横須賀で開かれた旧車イベントを取材。次回「ソレイユ! 旧車イベントは春を先取り」をお楽しみに!

 

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