エンスーの杜    トップページへ   エンスーなニュースに戻る  
 
 
斉藤円華の「横入り自動車ライター血風録」・第26回
 
昭和! 第17回青梅宿アートフェスティバル レトロカーパレード
 
 
 東京多摩西部に位置する街、青梅。
 青梅街道の宿場町として発展し、旧い町並みを今に伝えるこの街で毎年秋に行われる「青梅宿アートフェスティバル」、第17回目の今年のキャッチフレーズは「昭和浪漫の青梅宿」である。
 ここでの恒例イベント「懐古自動車パレード」に、今年も個性的なクルマたちが集まるに違いない。11月23日のイベントの様子をお伝えする。
 
−粒よりのレトロカー−

 午前11時、集合場所の永山公園には既に多くの旧車が集まっている。
 都心から1時間半の近さでありながら、奥多摩の端に位置する青梅は自然が豊かだ。やはり空の青の深さが違う。紅葉とあいまって、なんとも気持ちいい。
   大会役員、青梅美人に表情もゆるむ?
 コスモスポーツ。青みがかった白ですね。
  VWタイプ2、ダブルキャブトラック仕様。「自家用」ならぬ「自家焙煎」がしゃれてます。
  サニークーペ。
 スバル360。奥のR2と、フロントガラスのスラント角が似ています。
 セドグロ・ブラザーズ。
 昭和のクルマといえば、この顔の押し出しの強さ! H31型セドリック。
 スカイラインGT−B。
 最初にこの個体を見たとき、「ヨーロッパ車みたいだな」と思いました。なぜだろう? ダンロップタイヤが決まっているスバルR2。
 バモスホンダ。錆一つなく幌もぴかぴか。楽しいクルマですねえ。これで遊びに行きたくなる。
 イベントが回数を重ねていることもあるのだろうが、オーナーが大事にしているなあと思わせる粒よりのクルマ達が集まっている。ナンバーを見るとやっぱり多いのが地元の「多摩」や「八王子」だ。他のイベントで見ないクルマが多いので、「多摩にもまだまだ熱いエンスーがいるんだな」と、地元住民としては思わずうれしくなる。
 パレードに出発! トライアンフTR3。
 これもめっきり見なくなった、A30グロリア。プリンス・ロイヤルをほうふつとさせます。
  ホンダSとヨタハチ。
 ランタボと510ブルーバードが続きます。
 か、かわいい! スバルのサブロクカーたち。
 フェローとNコロが続きます。
 ジムニーとジープ。
 VWビートル。ルーフキャリアがおしゃれ。
 
−昭和と映画看板の街−
 
 青梅でつとに有名なのが、宿場町の旧い街並みと「総天然色」の映画看板だ。2003年に「青梅赤塚不二夫会館」がオープンして、「昭和の街・青梅」の知名度は全国区のものとなった。
 商店街の案内看板。駅前通は「赤塚不二夫シネマチックロード」!
 こんなかんじの映画看板がいたるところに。
  青梅赤塚不二夫会館に掛かっているのが、これ。楽しそうなミュージカルです。
 ひょっとこ、トーマス、リロ&スティッチ、アンパンマン、おしりかじり虫・・・。祭といえばお面。節操のない品揃えが素敵です。
 駅前の目抜き通りを、こんな感じで旧車がパレードしていきます。その様子をバーチャルでお楽しみください。
 フェラーリ308GTBとミニカ・スキッパーが対面。双方一歩もひきません!
 ボルボ1800S。
 うぐいす色のヒルマン・インプ。
 これも見なくなりました。トヨタ・TA30カリーナ。  シボレー、車種は・・・?
 ウニモグ。車高高いです。
 
−「続三丁目の夕日」出演車両も−
 車両がパレードから戻ると、オーナー同士の交流タイムへと突入だ。

 日産シルビア・240RS。ど迫力のブリスターフェンダー。




 左ハンドル、無駄なものは一切省いたインパネ。エンジンは2.4リッター、240馬力!

 ミニカ・スキッパー。




   リアウインドーは跳ね上げ式です。
 1969年式ジープJ4。フロントグリルの三角形のプレートは以前の所有者だった土建会社のマーク。ガソリン2.2リッター。  「三菱重工製」の銘板。「カイザー・ジープ・コーポレーション」はウイリス社から製造権を買い取った会社。こののちAMCを経てクライスラーに吸収される。
  連載12回でご登場いただいた新津光洋さん、今日はヒーレー・MKIIでご参加。「ヒーレーはあれからエンジンに手を入れました」。そういえば最近も「NAVI」で、新津さんのアウディ100クーペSが取材されていますね!  1958(昭和33)年式ダットサン210。東京都では1962年まで地名表示がありませんでした。
 反対にまわるとポスターが・・・?  何と! 「ALWAYS 続三丁目の夕日」の出演車両でした。まだ見にいってない人は、映画館でチェックしましょう。
 この210は「Jセダン」といって、特別仕様車なのだそう。砲弾型ウインカーやサイドモール、真空管式ラジオなど、豪華なオプションが用意された。Jセダンはこれを含めて3台が現存するのみ。




 ナンバープレートの上にはエンジンを始動するクランク穴が。
 ランプ類を点灯していただきました。電球の灯りが温かみがあってよいですね。  オーナーの小山和彦さん夫妻。「このクルマは乗って30年になります。映画出演のオファーは全日本ダットサン会を通じてありました」。
 マツダT2000。  こんな個性的な顔、今のクルマじゃ考えられません。
 「ハイドロマスター」とはブレーキ倍力装置のこと。「ところざわクラシックカークラブ」の谷内浩一さんによれば、「ハンドルを切ったときの角度が深いので、コンパスみたいな動きで曲がります。小回りがききますよ」。




 これまたシンプルなインパネ。
 屋根は幌張り。座席の前後間隔は見た目には狭い。「毎年秋に『クラシックカーフェスティバルinところざわ』を主催しています。是非来てください!」(谷内さん談)
 81年式デロリアンDMC−12。  ガルウィング、かっこいいですね!
 ジウジアーロがデザイン、ボディ外板はヘアライン仕上げのステンレス。ヘンだけどスタイリッシュ。不思議なクルマです。
 アルシオーネSVXのようなサイドウインドウ処理。
 関口浩佑さんは6年前にデロリアンを購入。これが初所有車というのだからちょっと驚きだ。
 「今日のイベントは『オールドタイマー』誌を見て参加しました。パーツはショップを通じて手に入るので安心です。ボディのヘアライン、磨くと消えちゃうんで注意が要ります(笑)」
 地域主催の旧車イベントの底力を見る思いだ。オーナーに大事にされ、愛されている粒よりのクルマ達が高密度で集まっている。地元や常連の仲間同士の人脈が生きている証拠だろう。何よりみんな楽しんでいるのがいい。規模も小振りな分だけ、気に入ったクルマをじっくりと眺めることも出来る。こんな上質なイベントが近所にあったなんて! 楽しみは尽きないですなあ。
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…横入り自動車ライター。。もう冬ですね。風邪が流行っているようです。手洗いとうがいを励行しています。
※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/
※ mixi(ミクシィ)にもプロフィールがあります。

【次回予告】
 年始めの旧車イベントといえば、アレに決まってますよね? 新春恒例のアレを取材!
 ・・・アレって何だ?

 

自動車保険 損保 自動車ローン 駐車場 事故車 廃車