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斉藤円華の「横入り自動車ライター血風録」・第24回
 
−ラ・フェスタ ミッレ ミリア 2007−
激走1600キロ! 遊びの総力戦
 
 
 今年で11回目を迎える、クラシックカーのラリーイベント「ラ・フェスタ ミッレ ミリア」。
 1600キロ=1000マイル、すなわちミッレ・ミリアを4日間で走破するこのイベント。競うのはスピードではなく、各自が定めた目標タイムを正確にトレースできるかどうかだ。
 如何なミント・コンディションであったとしても、個体によっては車齢80年に及ぶクルマがこの長距離を走破するのはやはり大変であるにちがいない。
 しかしそれでも、毎年多くのドライバーがこのレースに挑んでいる。その魅力は何なのか、見てみようと思った。
 
−13日〜いやあ、すごい!−
 10月13日午前8時、東京・明治神宮。
 ミッレに参加する車両が車検会場に指定された駐車場に続々と集まってくる。
 「うわー」、思わず声が出た。ピカピカに磨き上げられた名車、名車、名車・・・。曲がりなりにも自動車ライターを名乗っている手前、多少の珍しいクルマを見ても動じたりはしない私だが、これには、参った。「一体どれから取材したらいいんだ・・・?」
 ロールス・ロイス。
 美しいクルマたち。息を呑む。
 スタートに備えて点検中。
 1939年式ベントレー ダービー4 1/4。





 ライレー 12/4スペシャル。アルミボディでしょうか?
ライレーのコクピット。

 1955年式ロータス マーク9。フランコスティンのデザインによるボディは、後のレーシングカーにとって空力デザインの手本となったとか(オーナーの藤野昌弘さん談)。
 左右で高さの違うテールフィン。ドランバーの着座位置による影響を考慮した結果。  右側が藤野さん。今回ドライバーを務める。お隣はコ・ドライバーの後藤徹治さん。

 これもフェラーリ? 四角いボディと低く抑えられたキャビンがただならぬ雰囲気を漂わせます。1953年式フェラーリ 212インテル。
 ドライバーの小嶋禎一さん。「このフェラーリはヴィニャーレ(カロッツェリア)が手がけたものです。2.6リッター、12気筒のエンジンは最高です。355ならついていけますよ」
  ミッレミリアの特徴は著名人が多数参加していること。クルマの豪華さとともに、イベントの雰囲気をはなやいだものにしている。
 ミッレのベテラン、水野誠一さんと木内みどりさんのペア。今回は初めて1927年式ブガッティT37Aで参戦。  雅楽奏者の東儀秀樹さんは1954年式AC ACEで参加。今年5月の本家イタリアでのミッレミリアでは国別首位の「ナショナル・チャンピオン」に輝いた。
 TV取材を受ける西田ひかるさん。
 中田宏・横浜市長とジローラモさん、記念撮影! ジローラモさんの右は中田さんとペアを組む佐々木啓之さん。
 長丁場のレースとあって会場はケータリングも充実している。キャンピングカーを改造したおしゃれな移動カフェ、「モトヤ・エスプレッソ・エクスプレス」。
 いよいよスタート! 1924年式ブガッティ T22ブレシア。
 1929年式SALMSON GS8。
 1930年式RALLY ABC。
 中田市長が乗る1956年式マセラティ 150S。
 1957年式ランチア アッピア・ザガート。
 1939年式フィアット508C・アラドーロ。アール・ヌーボーな?フロントグリルの装飾。
 とにもかくにもゴージャスなイベントだ。この日スタートを切ったのは総勢115台。
 ゴールの横浜にたどりつくのはこのうちの何台なのだろうか? 見届けないわけにはいくまい。
 
−15日〜名車は走ってこそ−
 ミッレミリアの醍醐味は、何といってもヴィンテージカーが実際に公道を走ることにあるだろう。往時のようにクルマが駆け抜けるさまを、この眼で見ることができるのである。
 どうせ観戦するのなら、交通規制や渋滞にあえぐ市街地ではなく、伸び伸びと走れる郊外がいいだろう。田園風景を疾走する名車を楽しもう。
 遠くからブロロロ・・・と特徴ある音をさせて参加車両が走っていく。沿道の声援に手を振って応えるさまが紳士然としていてカッコイイ!
 栃木県さくら市の「道の駅きつれがわ」にて。ここに設けられたチェックポイントで出走者はスタンプを受ける。1953年式トライアンフTR2。
 ジローラモさんが乗る1963年式アルファロメオ ジュリエッタ・スパイダー。
 1960年式ポルシェ356スパイダー。
 1960年式オースチン・ヒーレー3000MK1。
 チェックポイントの様子。1959年式フィアット アバルト750・レコルドモンツァ。
 それにしても、平日にまたがる4日間を、サポートカーを従えてクラシックカーで走破するなんて、まさに究極の「大人の趣味」ではないか。このレースを楽しむために、参加者は車両整備やスケジュール調整などの様々なハードルを克服したに違いない。ミッレミリアは「遊びの総力戦」なのである。
 
−16日〜有終のゴール!−
 最終日は時折雨も降ってくる、あいにくの天気。そんな中、横浜中華街に全コースを走りぬいた車両が続々と到着した。
 1939年式ラゴンダ V12・ルマン。





 1947年式フィアット スタンゲリーニ1100スポーツバルケッタ。
 関帝廟前がチェックポイント。地元のかわいらしい子供たちが獅子舞で歓迎。  いよいよイベントもファイナル。横浜元町商店街に集結するヴィンテージカー。
 パンチの効いたジャズバンドがゴールを演出します。  花道には鈴なりの観衆が。1960年式アルファロメオ ジュリア・スプリント・スペチャーレ。
 1948年式チシタリア 202SC。  衣斐茂樹さんと西田ひかるさんのチームも完走、この笑顔! 1951年式MOTTO MGスペシャル。

 1954年式トライアンフ TR2/TS。


 1951年式MG TD。
 石鍋優さんは親子で参戦。お父様から受け継いだ1950年式ヒーレー シルバーストーンで完走を果たす。  

 1953年式バンディーニ 750SPORT。

 1953年式ジャグヮー XK120ロードスター。


 普段はレースカーに乗るという秋本康彦さんは1927年式ブガッティT35Cで参戦。過去10回全て完走を果たした大ベテラン。完走記録更新を果たした。

 1956年式アルファロメオ ジュリエッタを駆る“マッチ”こと近藤真彦さんは、最終日のみ参加。声援も最高潮に!

 1955年式アルファロメオ AR1900C スーパースプリント。


 1933年式フィアット508Sバリッラ。長丁場おつかれさまです。
 中田市長、グッジョブ!「みなさんのおかげで完走を果たせました」と喜びのコメント。
 1954年式ナルディ750LM。  1954年式アルファロメオ 1900SSザガート。
 1955年式アバルト 207Aスパイダー。  凱旋門をくぐって、ウイニングラン! 1961年式アルファロメオ ジュリエッタ・スパイダー。
 
 花道を行くドライバーの顔はみな、満ち足りたいい表情をしている。1000マイルの道中、雨風あり、故障あり、あるいはドライバーとコ・ドライバーのけんか?もあったかもしれない。しかしそれもこれも全て、ゴールした瞬間にいい思い出になるのだろう。
 今回のレースでは93台が完走を果たした。3日間レースを取材して、マラソンで言う「ランナーズ・ハイ」を、ミッレミリアの参加者も追い求めているのかもしれない、と思った。
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…横入り自動車ライター。今回ミッレミリアを取材しましたが、今の時期はドライブにはいい時期ですね。渋滞を避けて、ドライブを楽しみましょう。
※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/
※ mixi(ミクシィ)にもプロフィールがあります。

【次回予告】
 第40回東京モーターショー・プレス公開に潜入! 次回「キャンギャル?! 東京モーターショー・プレス公開」をお楽しみに。