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斉藤円華の横入り自動車ライター血風録・第22回
 
−ホンダクラシックミーティング in 多摩テック−
シビック! メルヘンとエンスーの関係とは?
 
 多摩テックは、東京都日野市にある遊園地だ。
 ホンダ系列の遊園地ということで、アトラクションは絶叫系ではなく自分で操縦できるタイプがメインだ。
 そんな、子どもたちのクルマ心を恐らくはくすぐって止まない多摩テックで、シビックのクラシックミーティングが開かれるというので行ってきた。
 
−メルヘンな−
 残暑の厳しい9月9日、日曜日。
 筆者にとっても多摩テックは初めてだ。
 というより遊園地にはとんと縁のない私。周囲を見わたせば、休日を楽しむ親子連れでにぎわう。園内のメルヘンな雰囲気から、汗をふきふき会場をめざす自分はいささか浮き上がっていやしないか・・・。
 だがミーティング会場にたどりつくと、そこには一列に並んだシビックが。
 ああ旧車の世界・・・。なぜだか心安らぐ筆者であった。
 
 
 
−シビックだらけ−
 1972年にデビューし、現在まで8回のフルモデルチェンジを重ねているホンダ・シビック。
 なかでも初代シビック(72〜79年)は2ボックスのコンパクトなパッケージング、低公害エンジンの「CVCC」で大成功をおさめた。クラシック・シビックといえば、まず思い浮かぶのがこのモデルだ。
 初代シビックといえば、この形。コンパクトカーの先駆けだ。
 こんな色のやつが、昔走っていたよなあ。
 ホンダコレクションホール所蔵のシビック5ドア。シビックは2ドア、3ドアのクルマと思っていたが、5ドアもあったんですね。家族で乗るにはもってこいだろう。
 車内はこんな感じ。メーターパネルが青色に塗られている。
 「グランドシビック」と呼ばれた4代目の、サーキット仕様。VTECエンジンが搭載されたのもこの代から。シビック=速いクルマというイメージを与えた。
 現行のシビック・タイプR。初代と比較すると「デカイ!」。こんなに立派になりました、って感じ。速そうだ。
 同じように見えるフェンダーミラーも、よく見ると塗装やビス穴のあるなしなど、違っているのが分かる。
 ややっ、これはドアミラー!
 ドアミラー一つで、シビックがたちまち欧州車っぽい雰囲気を漂わせます。
 サンセットオレンジの77年製RSのオーナー、田玉(ただま)周一さんに話をきいてみた。
 ――ドアミラーはオリジナルですか?
 「いえ、S800のフェンダーミラーを取り付けました。輸出仕様のシビックがドアミラーで、それを見るとスッキリとしてまとまったデザインだな、と思って・・・。なので自分の中ではオリジナルのフェンダーミラーが許せなかったんです(笑)」
 シビックといえばハッチバックドア。  「フロントフェンダーを叩き出してオーバーフェンダーにしました」(田玉さん談)
 えっそうですか? 気付かなかったが、よく見るとホイールアーチの部分が膨らんでいて、ボリューム感がある。
 比較までに通常のホイールアーチ。
 
 「RSは本来ならばオーバーフェンダー仕様で発売するらしかったのですが、規制されたとかでノーマルのままだったそうです」(田玉さん談)
 このRSという呼び名も「レーシングスポーツ」ではなく「ロードセーリング」の略だそうで、スポーツモデルでは認可が下りにくいための対策と言われている。タイプRが堂々とリリースされている現在とはまさに隔世だ。

 無限のパーツを組み込んだエンジンルーム。ベンチテストでは85PSを記録。


 田玉さん。「今日は長野から自走して来ました。シビックは705kgしかないからハンドリングが軽いですよ。峠を走るには最高、充分現役です(笑)」
 2代目「スーパーシビック」の、シビックカントリー。木目のカッティングシートがアメリカンな印象。これは83年製。
 右から、オーナーの平岩正光さんとご子息(おとなりは彼女さん?)。
 「このモデルが好きで、今のは中古ですが、以前は新車で乗っていました。コンパクトでよく走ります。燃費もよくて、リッター27キロ(!)を記録したこともあります。もうパーツがないので、ディーラーは車検をやってくれないんですよ(笑)」(平岩さん談)
 国産旧車の悩みは、年数に従ってパーツがなくなること。よく分かります(涙)。ちなみに平岩さんは部品取り車も所有。
 3代目、86年式ワンダーシビックSi。オーナーは島田けいぞうさん。
 1600ccのツインカムエンジンを搭載。
 「無限のホイールとリアスポイラーをつけましたが、あとはノーマルです」(島田さん談)。素で乗っている感じがすがすがしいです。
 内装はこんな感じ。直線を多用したデザインに80年代を感じます。
 島田さん。「これが出た当時、ホンダはF1をやってましたよね。そんなホンダに投資するつもりで(笑)買いました。乗って15年近くになりますが、15年も乗ったらこのまま乗り続けるのかな、という気がします」
 ステージでのオーナーインタビュー。
 ホンダグッズもこのとおり販売。


 せっかく多摩テックに来たのだから、アトラクションも覗いていこう。これはコースを2周して順位とタイムを競う「フォーミュラプラス」。



 エンジンは汎用機だが、ミドシップ・レイアウトだ?!

 特定の車種に特化したミーティングは初めての体験だったが、一つのモデルにクローズアップすると、モデルチェンジごとの変化や細かい仕様の違いを観察できて面白い。それに、「このモデルの頃はこんなことがあったなー」と時系列にそって思い出に浸れる楽しさもある。これはちょっとした発見だ。
 多摩テックでは今後も「ホンダクラシックミーティング」を開催する。次回は10月21日に「Nミーティング」を予定。秋の一日を多摩の旧車イベントで過ごしてみては?
 
 多摩テックウェブサイト・クラシックミーティングのページ
 http://www.mobilityland.co.jp/classic-meeting_t/index.html
 
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※ 当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
※ お寄せいただいた個人情報は賞品の発送にのみ使用し、すみやかに廃棄します。
 

[執筆者プロフィール]
斉藤 円華(さいとう・まどか)…横入り自動車ライター。ようやく涼しくなってまいりました。ドライブも楽しいですが、風に吹かれてサイクリングも楽しいなあ、と再発見しております。
※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/
※ mixi(ミクシィ)にもプロフィールがあります。

【次回予告】
 9月30日はアノ!F1日本GP・・・ではなく、伊豆・修善寺で開催される「CG/NAVIミーティング」を取材します。お楽しみに!