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斉藤円華の「週末自動車ライター事始め」・第5回 | ||||||||||||||||||||
「JCCAニューイヤーミーティング −お台場に旧車集結! 今年の合言葉は『スロー・カー・ライフ!』−」 |
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旧車フリークには恒例の年中行事として定着した感のある? JCCA(日本クラシックカー協会)主催のニューイヤーミーティング。1月28日に開催されたこのイベントの模様をお伝えしたい。 1月最後の日曜である当日は、数日来続いた寒波も和らいで陽気に春の息吹が感じられる。私は都内の自宅から、渋滞を嫌って会場のお台場臨時駐車場まで自転車(ロードバイク)で行ったのだが、途中でアクシデント発生! レインボーブリッジを通ろうとしたのだが、何と自転車は通行禁止なのだ。何だよ不親切だなあと憤っても、どうしようもない。事前リサーチが足りなかった。 築地から迂回することも考えたが、いささか億劫だ。どうするか思いあぐねているうちに、すぐ近くに水上バス乗り場を発見。「これだ!」お台場までの運賃460円。なお自転車は別途手荷物料金が必要だ。 |
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−昭和にワープだ− | ||||||||||||||||||||
会場の広大な敷地に国内外の旧車がひしめき、ここだけ時間が逆戻りしたかのような錯覚に襲われる。そんな中、最初に注目したのは日野コンテッサ。中でも「900」と呼ばれるセダンはほとんど滅多に見ることがない。 | ||||||||||||||||||||
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国産旧車ではハコスカやZ、TE27、ベレットなどの「王道系」旧車とは別に、クラウンやプリンス・グロリアといった「オヤジ系」旧車が独自の存在感を示す。バンパーやグリル、ヘッドライト周りやドアモールに多用されたメッキパーツが重厚に輝き、当時ならダサかったであろうセダンボディも今見ると昭和テイストにあふれていてカッコいい。 | ||||||||||||||||||||
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−成熟する旧車文化− | ||||||||||||||||||||
参加車両の中から、オリジナルを保ちかつコンディションの良い車を表彰する「コンクール・ド・エレガンス」の最優秀車が選ばれ、篠塚さんが所有する54年型メルツェデス180Dが栄誉に輝いた。 審査委員長の熊倉重春氏(自動車評論家・元CG編集長)は「24歳の時に新車購入して以来、52年間、75万キロを乗り続けている。ディーゼル規制により乗れるのが今年5月までとなってしまった。車両は決してぴかぴかのミント・コンディションではないが、篠塚さんこそ、本当のクルマとの付き合い方をされて来られたのではないか」と高く評価。篠塚さんは「燃費が良く、環境負荷も低いのに一律な規制で乗れなくなるのは残念」と思いを語った。車両は日本自動車博物館に寄贈されるという。 |
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今回、コンクール最優秀車がいわゆるスペシャルティー・カーではなかったのは象徴的だ。希少車・人気車がクローズアップされるのはこれまでと変わらないが、タウンエースの小林さんやメルツェデスの篠塚さんの様に、長年家族の一員としてクルマを受け入れ、過ごしてきた人々が登場し、注目されるようになったのは旧車人気の成熟の証といっていい。 1台のクルマを長く乗るということはちょっとやそっとでは真似できない。モデルチェンジにあえてくみしないクルマとの付き合い方は、「モノを大事にする」「モノに愛着を感じる」「ひとつのモノを使い続ける」などの乗り手の価値観がそこに色濃く反映される。現代の大量消費社会にあって、これは文化ですらある。 ことによっては環境にもやさしい?一台のクルマとの長い付き合い。私はこれをあえて『スロー・カー・ライフ』と呼んでみたい。2006年がスロー・カー・ライフにとって記念すべき年になるのは間違いないだろう?! |
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[執筆者プロフィール] 斉藤 円華(さいとう・まどか)…週末自動車ライター。先日裏高尾にツリーハウスを取材。背後に見える中央道を眺めながら、人とクルマ・自然のこれからに思いを馳せてみたりして。 ※ブログ “mdk-on-line” http://mdk-on-line.jugem.jp/ ※ mixi(ミクシィ)にもプロフィールがあります。どうぞご覧下さい。 |
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