【シトロエン2CVについて】
農村部の住民のための汎用車として1938年にシトロエン2CVの開発が始まります。しかし、第2次世界大戦の影響で開発が遅れ、デビューは戦後の1948年パリサロンで発表されました。
農村部の住民のための汎用車の条件は
@50kgのジャガイモ又は樽を載せて走れること
A60km/hで走行できること
Bガソリン3リッターで100km以上走れること
C荒れた農道を走破できるだけでなく、カゴ一杯の生卵を載せて荒れた農道を走行しても、1つの卵も割ることなく走れるほど快適で乗り心地がよいこと
D価格はトラクション・アバンの1/3以下
E車両重量300kg以下
Fもし必要とあれば、(自動車に詳しくない初心者の)主婦でも簡単に運転できること
Gスタイルは重要ではない
Hシルクハットを被って乗っても天井につかえないこと
最後のシルクハットとは結婚式など正装すべき時にも1台ですべて済ませられるようにと言うことだそうです。技術陣の努力によって、実現に至らなかった点があったものの、無理難題の多くが満たされたそうです。
しかし、シトロエン2CVがデビューした当時のジャーナリストたちの批評は「みにくいアヒルの子」「バスタブ」「コンビーフの缶詰」「乳母車」などあまり評価はよくなかったそうです。
でもあらゆる面で合理的な裏付けを持って設計され、市場ニーズに合致した自動車であるという自信を開発陣は持っていたそうです。
先行量産モデルは「特に2CVを必要としている」と考えられた希望者に優先販売され、日常における実際の使用条件について詳細なモニタリングが行われ、フィードバックされた内容は技術改良と販売方針の改善に活用されます。
2CVが廉価なだけでなく、維持費用も低廉で、扱いやすくて信頼性に富み、高い実用性と汎用性を有していることは、短期間のうちに大衆に理解されました。
ちなみに2CVは「ドゥ・シュヴォ(deux chevaux)」と読み、「2馬力」を意味します。フランスにおける自動車課税基準である「課税出力」のカテゴリーのうち「2CV」に相当することに由来します。ただし、実際のエンジン出力が2馬力であったわけではありません。後年の改良によるパワーアップで税制上3CV相当にまで上がったのですが車名は2CVのままでした。
フランス国民はこの(エキセントリックな)自動車の外見にも早々に慣れ、2CVは数年のうちに広く普及しました。
更にはヨーロッパ各国にも広範に輸出され、ことにその経済性と悪路踏破能力は各地のユーザーに歓迎され、イギリスなどにおいて現地生産も行われています。
シトロエン2CVは1948年から1990年まで生産されました。
この長い歴史を見てもビートル、ミニと肩を並べる名車であることは間違いありません。
【ご紹介する車両について】
今回ご紹介する車両は、ホワイトカラーのシトロエン2CVスペシャルです。
現オーナーさんは、約1年前に個人の方から購入されます。現オーナーさんは、以前に2CVを持っておられたこともあり、2台目の2CVとなるそうです。
また一時はシトロエンDSも所有していた時もありましたのでシトロエンマニアの方です。
車検を通したばかりなのですが車庫整理のための売却です。
【ボデー】
ボデーは、前オーナーさんが全塗装されたそうできれいな状態です。
キャンバストップも破れはなく、よいコンディションを保っています。
ヘッドランプはイエローバルブとなっています。
フロントホイールアーチ部にマッドガードが装着されていました。
【インテリア】
インテリアもきれいな状態です。
シートは前オーナーさんのときに生地を張り替えているそうです。
シートの座り心地は、現在の車にはない独特なものとなっています。例えればふっかりしたソファといったところです。初期のモデルは、シートを車外で出して、お茶など嗜むことができたそうです。
ワイパーは間欠式(無段階)に変更しています。
【機関】
エンジンはノーマルの状態です。もちろんキャブレター仕様ですのでエンジンをかけて暖気は必要ですが、それもまた旧車の儀式として楽しみなひとつです。
シフトレバーは、インストルメントパネルセンターにあり、一見操作しづらいように見えますがすぐ慣れるそうです。
■エンジンスペック
エンジン形式:空冷水平対向2気筒 OHV
排気量 :602cc
最高出力:28.5ps/6750rpm
最大トルク:4.0kgm/3500rpm
トランスミッションは4速マニュアルです。
【足回り】
オリジナルの足回りです。
■足回りスペック
ステアリング形式:ラック&ピニオン式
フロントサスペンション形式:リーディングアーム+コイル
リヤサスペンション形式:トレー リングアーム+コイル
フロントブレーキ形式:インボードタイプディスクブレーキ
リヤブレーキ形式:ドラムブレーキ
タイヤサイズ(前後):135SR15(ミシュラン)
屋根付き車庫に保管。
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。