多目的動力装置を意味するウニモグ、道路整備や除雪、はたまた軌道車として、その活躍の場は多岐に渡ります。 その数は3000種類を超えると言われる数多くのアタッチメントが用意され、エンジンから動力を取り出せるPTOを備えるものでは、その用途はさらに広がります。 また軍用としても使用されるほどの走破性も見逃せないところ、4駆として楽しめるのもこのクルマの特徴でもあります。
こちらのウニモグ、キャブオーバーのトラックスタイル、作業車のイメージとは似つかないファニーな顔つきが特徴の406型と呼ばれるモデルです。 前述の動力取り出しのPTOを備えます。 当時のディーラー、ウェスタン自動車のデリバリーです。
黄色い外観は非常に目立ちます。 荷台のロールゲージはワンオフにて作製しました。 塗装の状態は良好です。 荷台他大きなサビや腐りは見受けられません。 この手のクルマを望む方であれば、キズなど傷みがどうのと言うのは気にならないと思いますので、それを踏まえて言えば外装は良い状態と言えます。
内装は仕事場と言った雰囲気です。 センターに位置する数々のレバー、運転席のシート側に備わる排気ブレーキペダルなど、マニアックなアイテムが散見されます。 シートは2脚とも破れや汚れのないキレイな状態です。 天井も問題ありません。
機関はこれまでトラブルなく好調との事です。 元々が頑丈なつくりのようで、現在も不具合は感じないそうです。 部品はウォーターポンプを交換した程度で、基本的なメンテの他、大きな修理履歴はありません。 現在も特別不具合は感じないそうです。
その他不具合として現在スピードメーターが不動です。 こちらはオリジナルではありません。 別にウニモグ用のメーター(中古)がありますので、こちらをお付け致します。
Nox・PMは適合していません。 よって対策地域内では登録できませんのでご注意下さい。
リサイクル券及び自動車税の清算はオーナーさんのご好意により不要です。
様々なジャンルのクルマが好きなオーナーさん、ウニモグは複数台所有した経験を持つフリークでもあります。 特にこちらのウニモグはPTOが装備されており、用途に合ったアタッチメントを揃えるのも楽しみのひとつでありましょう。 そんなウニモグに同乗体験させて頂きました。 乗り込む動作はまさによじ登るとでも言ったら良いでしょうか、視界の高さは大型トラック並です。 車内に張り出したエンジンで分けられたシート、その間には多数のレバーが生えています。 慣れないとその操作に戸惑いそうですが、これもウニモグに乗っていると言う充実感と使いこなす達成感が味わえるのではないでしょうか。 巨体が動き出すとまず感じたのはごついフレームからは想像しがたい、意外や柔らかい乗り心地です。 ウニモグのオフロード走破性はかなり定評があるところですが、実際に近くの川原を走らせて頂きます。 路面は泥地もあるまさに道なき道の状態、そこをゆっくりと確実に走破して行きます。 一瞬スタックの状況になりましたが、件の多段変速を上手く使い見事脱出に成功、ほとんど走れない道はないです、とのオーナーさんの言葉を実感した瞬間でした。 クルマの下に簡単に潜り込めるほどの高いクリアランス、それを稼ぐためのレイアウト、PTOの動作、ウニモグでしか見る事の出来ない珍しい光景です。 ミニカーのようなルックス、4駆、作業車、ウニモグは多様な個性を併せ持つ動力装置と言う名のクルマです。
実車は群馬県吉井町にあります。