1965年、W111に代わりW108/W109が登場します。W111の特長であるテールフィンは姿を消し、エッジの効いた現代的なスタイルへと変わりました。
ラインナップはキャブレター仕様の250S、インジェクター仕様の250SE、300SE、ロングバージョンの300SELの4モデル。ブレーキは全車種4輪ディスクブレーキ装着。
1968年に2.5L、3.0Lエンジンはキャブレター仕様の250Sを除いて廃止され、新たに2.5Lエンジンをボアアップして開発された2.8Lエンジンを全車種に搭載。それに伴いW108は250S、280S、280SE、280SELというラインナップになり、W109は300SEL(2.8Lエンジン)のみになりました。
1969年には250Sが消滅、同時に新しい3.5L-V8エンジン搭載モデルが登場します。ラインナップとしては最初にW109/300SEL
3.5が登場。翌年にはコイルサスペンションのW108/280SEL 3.5、280SE 3.5が登場しました。
1971年には3.5Lエンジンのボアを拡大した4.5L-V8エンジンが登場。280SE 4.5、280SEL 4.5、300SEL 4.5の3モデルがラインナップに加わりますが、直6エンジン搭載車は前年までで全て消滅していたため、1971年のW108/109のラインナップは全てV8エンジンになりました。1972年には後継モデルであるW116が登場します。このため、4.5Lエンジン搭載モデルの寿命は1年余りで終わりました。
今回ご紹介する車両はW109の3.5V8エンジンを積んだ300SELです。2007年の4月に専門のショップ(埼玉で有名なオールドベンツを扱うショップ)を通じ、個人売買で購入されます。購入の動機は高校時代に見たベンツがきっかけです。通学時にシルクハットを被った紳士がこのベンツに乗り、颯爽と目の前を走りぬけた残像が、この車を見たときにふつふつと記憶がよみがえり、購入に至ったとお話されていました。
この車、過去にエンスーの杜に掲載されたことがあります。
その当時掲載されていた記事を以下にご紹介します。
【過去の掲載記事】
ひじょうにコンディションの良い、300SELです。
初年度登録が、昭和47年4月になっています。エンジンルームには、ウエスタン自動車のプレートが貼ってあります。
購入後、かなり手をかけ、現在のコンディションに仕上げました。整備は、クラシックベンツの専門店で行っているそうです。
修理の詳細は以下です。
■2004年
・ダイナモ脱着交換(IC付きに変更)
・全ベルト交換調整
・グリースUP
・リアースタビブッシュ、マフラー吊り下げゴム交換
・アーシング
・エアコン修理
・コンデンサー交換(リビルド)
・タペットカバー脱着し調整
・エアサスホース交換
・エアサスタンクバルブ分解点検
・ロアアーム交換(中古)
・ブレーキマスター交換
■2005年
・左フロントベローズ交換
・リア左右ベローズ交換
・左アウタータイロットエンド交換
・イートン調整
・フロントウインカーカバー左右交換
・右アッパーアームとピン交換
・右スピンドル交換
■2006年
右タイロットエンド交換
他にも、
・ラジエターファン560の物に換装 ・ヒーター修理
・マフラー交換(リビルト)
・ボデー下部分、板金塗装
・F/Rガラスのゴム交換
・内装(全シート、ドア内張り、床)本革で張替え
・ステアリング交換(純正)
・ウッド部分リペア
・フロントグリル交換
を行っています。
外装は、以前はブラックだったようです。オーナーさんが購入した時には、すでにシルバーでした。
塗装は、ムラやアレはありません。購入前から、ドア下に錆び浮きがあり、板金塗装を行いました。その後は、屋根つき保管で、外装コンディションは良好です。
フロントグリル、ヘッドライト、バンパーのメッキもひじょうにキレイです。サイドミラーと、ドアノブのみ年式相応の、曇りがありました。
このベンツの、最大の魅力は、内装のコンディションです。元はモケットだったそうですから、オリジナルではありません。とはいえ、シルバーの外装に合った、レッドの本革で、総張替えしています。これだけで、200万円近い費用がかかっています。
木目もリペアされており、乗っていて新車の雰囲気が漂ってきます。
ダッシュと天井はきれいだったので、交換されていないそうです。
エンジンや、各機関も良好です。泣き所の、エアコンや、エアサスも修理していますので、現在はすこぶる快調です。
CDチェンジャーが付いていますが、デッキの音量調整がやや不調だそうです。
(動作はします)
【過去の掲載記事は以上です】
現在の状態は上記に記載してある内容とほぼ同様ですが、現オーナーさんが購入されてからの修理明細を以下にご紹介します。
【19.3.23購入】:80,835km
・車検整備
・左リヤシャフトのシールキット交換
・タペットカバーパッキン交換
・タペット調整
・デフオイル交換
・エンジンオイル・フィルター交換
・トランスミッションパッキン・フィルター交換
・トランスミッションオイル交換
・前後ショックアブソーバー交換(ビルシュタイン製)
・国産製ダイナモ交換(80A)
・フルトラキット取付け
【19.7.19】:81,750km
・ACガス入れ替え
・バーダルクラーレン交換
・サービスバルブ交換
・エバポレーターダクトに断熱材を貼る
・ディストリビューター分解・調整
・スパークプラグ清掃
・イグニッションセンサー調整
・フルトランジスタモジュール交換
【19.8.9】:81,750km
・クーラントテンパレチャーセンサー交換
・スロットルポジションセンサー調整
・プラグコード交換
・レジスター交換
・ディストリビューターキャップ交換
・スパークプラグ交換
【19.110.7】:82,118km
・左右フロントキングピンブッシュ交換
・左右フロントタイロッドエンドASSY交換
・左右フロントハブベアリング交換
・左右リヤハブベアリング交換
・4輪トータルアライメントテスターによる測定(トーイン、キャンバ調整)
・クーリングファンスイッチ追加←スイッチ操作により強制的にファンを回します
・バッテリーカットオフスイッチ追加
【19.12.2】:82,435km
・デフホーシングASSY(中古)交換
・スパークプラグ交換
内外装とも非常によいコンディションを保っていると思います。
機関も調子がよいそうです。
最近、A/C(エアコン)の効きが弱くなってきているそうですが、A/Cガスが多少抜けているかもしれませんとお話されていました。
保管は屋根・シャッター付き車庫です。
更新記事 2011.10.2
車検を更新しました。また、価格も見直しましたのでお買い得車だと思います。
この機会に縦目のベンツのオーナーに!
車は愛知県にあります。
個人売買の為、消費税などかかりません。
リサイクル費用と自動車税の月割り負担分は、別途、清算させて頂きます。